(一社)千葉県建設業協会、関東地方整備局、県、千葉市は9日、オークラ千葉ホテルで、公共工事の諸課題の改善を目的とする意見交換会を開催した。中・長期計画に基づく公共事業予算の継続的確保を求める協会の声に対して、整備局は2018年度と比べ、19年度予算が増額されていることを説明した上で、必要な予算の確保に努めるとした。地域建設業の受注機会の確保に関しては、総合評価落札方式において地域企業がより参加しやすくなるよう、地域密着工事型などの取り組みを継続すると応じた。
畔蒜毅・千葉県建設業協会会長(株ネ蒜工務店)は「災害対応空白地帯を生み出さないよう、地域の建設業界が地域の守り手として活動を続けるには、安定的かつ継続的な公共事業予算の増額確保、施工時期の平準化、市町村に対する品確法運用指針徹底に向けた対応、そして働き方改革を前進させていくことが不可欠」と強調した。
石原康弘・整備局長は「建設業を取り巻く課題は、まだまだ多く残されている。皆さまから忌憚ない意見をいただきながら、一緒になって検討し、具体化していきたい」と述べた。
河南正幸・県土整備部長は最近の動向について「国に準じて、熱中症対策に取り組んでいる。また、週休2日では、現場の閉所状況に応じた形での補正を開始した」と説明し、協力を求めた。
協会は社会資本の強靭化対策に関し、目標を明確化するとともに必要な事業費を確保するため、中・長期計画を策定し、計画的・継続的に実施していくことを要請。対する整備局は、前年度2次補正予算比1・09倍の2兆942億円が19年度当初予算として配分されていると説明。「防災・減災、老朽化対策をはじめとする諸課題に対応できるよう、必要な予算の確保に努める」とした。
また、協会は地域の建設業が社会的役割を果たしていけるよう、受注機会の確保を求めた。整備局は、総合評価落札方式において地域密着工事型、地域防災担い手確保型、自治体実績評価型、技術提案チャレンジ型を引き続き実施すると応じた。
続く自由討議において、協会は▽週休2日実施時における一般管理費率の補正▽最低制限価格算定における一般管理費率のさらなる引き上げ▽繰り越し工事の工期延長の対応▽長期休暇時の緊急連絡体系の構築▽週休2日の制度化▽地方自治体に対する改正品確法・建設業法など徹底の指導――などを要望した。