名古屋市交通局は、地下鉄駅のホームへの冷房設置に向けた基本設計に着手する。駅の規模や機械室の有無、スペースの大小などモデルとなる駅の基本設計を通じて、2020年度以降の整備スピード向上につなげる考え。
本年度に基本設計を行うのは、丸の内駅(鶴舞線、桜通線)、御器所駅(鶴舞線、桜通線)、高畑駅、鶴舞駅、東別院駅、黒川駅の6駅。駅の規模や機器配置、スペースの大小、ホームの換気方式(機械室がある場合は空調機械が設置しやすい、自然換気方式の駅の場合は機械室自体がない)などといった内容でパターン化できる駅を選定している。丸の内駅、御器所駅、高畑駅、鶴舞駅は機械室がある駅、東別院駅と黒川駅は機械室がない駅。
各駅について、空調機や動力盤、配管、ダクト、配線などの概略案を決める他、概算工事費を把握する。冷房能力は、丸の内駅・御器所駅(4ホームとも)が100冷凍d、高畑駅・鶴舞駅・東別院駅・黒川駅が50冷凍dを標準に検討する。
基本設計業務は「丸の内駅始め6駅乗降場冷房基本設計等業務」でまとめる。同業務の一般競争入札は公告済み。入札書は8月9〜20日に受け付ける。履行期間は20年2月28日まで。
名古屋市の地下鉄は、他都市に比べ冷房設置が遅れている。同局の地下鉄駅(コンコース、ホーム)の冷房化率は駅全体の約45%。ホームでは97駅中26駅に冷房を導入している。他都市の地下鉄駅の冷房化率は、札幌市や仙台市で低いものの、東京都(都営地下鉄、東京メトロ)や大阪府(大阪メトロ)などはほとんどが100%で、最低でも9割以上が整備済みだ。
本年度は、桜山駅ホームを冷房化するため、直営で設計作業を進めている。本年度内に工事発注を目指す考えだ。また、千種駅は駅リニューアルに合わせて冷房化するため実施設計を策定中。20年度の工事発注を計画する。その他、上前津駅は駅リニューアルに合わせた改修に着手するため、本年度は基本設計を行っている。
提供:建通新聞社