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建設新聞社
2019/08/08

【東北・宮城】宮城県が東北初・土砂埋立規制条例を検討

 宮城県は、「土砂等の埋立て等の規制に関する条例」の制定を検討している。民間建設工事に伴い発生した土砂の崩落・流出を防止し住民の安全を確保することを目的としたもので、制定されれば東北で初めての条例となる。3000平方b以上となる区域で埋め立てなどを行う場合は、許可が必要となる。県では2020年4月の施行を目指している。
 全国では、土砂の管理が不十分なために、土砂の崩落・流出による災害の発生や、土砂に廃棄物や有害物質が含まれている場合の土壌汚染などの問題が生じている。宮城県内でも、名取市で民有地に積み上げられた土砂が河川区域に押し出され、河川管理や漁業に支障を来す恐れのある事案が発生し問題となっていた。
 条例の制定はこうした状況を受けたもの。条例案によると、民間建築工事で発生する土砂等の埋め立てに関して、面積が3000平方b以上となる場合には許可申請が必要となる。申請には▽土砂などの埋め立て等の目的や内容▽埋め立て等区域の位置▽埋め立て等が行われる土地の面積▽土砂などの堆積の構造、搬入量や搬入計画▽災害発生を防止するために講じる措置内容などの書面や図面など―を記載した申請書を提出する必要がある。
 許可を受けると、▽管理責任者設置▽標識の掲示、境界標設置▽使用土砂量などを記録した台帳の作成▽定期報告―が義務付けられる。
 無許可や命令違反、土砂等搬入禁止区域に搬入した場合などは罰則が科せられることになる。
 また、条例案では土砂等の埋め立てを行う者、土地の所有者、土砂等を発生させる者、宮城県それぞれの責務を明確化しており、このうち建設工事の請負者に当たる「土砂等を発生させる者」の責務として、工事に伴う土砂の発生を抑制するとともに、有効な利用の促進に努めることなどを明記している。
 全国では20都府県で同様の条例が制定されているが、北海道・東北では宮城県が初めて。県では20年4月の施行を目指しており、条例案に関して9月6日までの期間でパブリックコメントを募集している。

 提供:建設新聞社