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建設経済新聞社
2019/08/08

【京都】高野東開・西開地区地区計画原案 緑道を地区施設に位置付け

 京都市は7日、高野東開・西開地区地区計画の原案をまとめ明らかにした。9日に左京区高野の左京老人福祉センターで原案の説明会を開く。
 高野東開・西開地区は、高野川の東岸に位置し、北大路通、東大路通、川端通、東鞍馬口通に囲まれ、旧鐘淵紡績京都工場の跡地の赤れんが広場を中心に集合住宅や個人住宅が高密度に立地、また幹線道路沿いには大型商業施設等が立地する。
 将来にわたり静かで住みよい環境と良質な賑わいが共存するまちを目指し、地区計画を策定する。
 土地利用に関する方針は「緑地やオープンスペースを大切にし、幅広い世代が心豊かに安心して暮らすことができる環境づくりを目指す」。地区施設の整備の方針は「赤れんが広場を中心に将来にわたり緑豊かな自然を守りつつ、静かで落ち着いた良質な歩行者空間の形成を図る」。建築物等の整備の方針は「建築物等の用途を制限することにより、住居地区では静かで落ちついた住環境の保全を図り、幹線道路沿道においては高い利便性を備えながらも、周辺の住宅地と調和する活気ある良質なにぎわいの創出を図る」。
 地区の全体面積は約19・4f。南東側のA地区(約8・9f)、川端通沿いで南側のB地区(約3・7f)、川端通沿いで北側のC地区(約2・8f)、北大路通及び東大路通沿いの外周部分のD地区(約4・0f)の4地区に分け、それぞれのルールを定め、まちづくりを進めていく。用途地域の制限に加え、地区整備計画により建築物等の用途の制限を新たに定める。
 住居系用途地域のA地区(第1種住居地域)及びB地区(第2種住居地域)は、区画飲食店(5u以下の客室)、テレクラ、インターネットカフェ・漫画喫茶、葬祭場が新たに制限対象になる(B地区はボーリング場・スケート場・水泳場・スキー場・ゴルフ練習場・バッティング練習場等、自動車教習所、畜舎で床面積の合計が15uを超えるものも新たに制限対象になる)。
 商業系用途地域のC地区(近隣商業地域)は、区画飲食店(5u以下の客室)、マージャン屋・パチンコ屋等、ゲームセンター等、テレクラ、射的場・勝馬投票券発売所・場外車券売場その他これらに類するもの、カラオケボックスその他これに類するもの(ダンスホールを含む)、劇場・映画館・演芸場もしくは観覧場又はナイトクラブ等、自動車車庫(建築物に附属するものを除く)で300uを超える又は3階以上の部分にあるもの、ボーリング場・スケート場・水泳場・スキー場・ゴルフ練習場・バッティング練習場等、自動車教習所、畜舎で床面積の合計が15uを超えるもの、日刊新聞の印刷所、インターネットカフェ・漫画喫茶、葬祭場が新たに制限対象になる。
 商業系用途地域のD地区(近隣商業地域)は、区画飲食店(5u以下の客室)、マージャン屋・パチンコ屋等、ゲームセンター等、テレクラ、射的場・勝馬投票券発売所・場外車券売場その他これらに類するものが新たに制限対象になる。
 地区整備計画では、緑道(緑地を備えた通路。約5500u)を地区施設に位置付けた。
      ◇      
 高野東開・西開地区を巡っては、平成24年10月に地域住民で構成する協議会が設立。旧鐘淵紡績京都工場跡地の赤れんがが残る広場や、多世代がともに穏やかで心豊かな日常生活を送ることができる環境を次世代に引き継ぐため、平成25年12月に「まちづくり高野赤れんが憲章」が策定された。その後、憲章に基づいた、より具体的なまちづくり活動を進めるため、平成31年3月に高野東開・西開地区まちづくりビジョンが策定された。
 なお、今月1日開催の第69回京都市都市計画審議会において、高野東開・西開地区における地域まちづくり構想について報告があった。