神奈川県県土整備局は、ICT活用モデル工事の対象に舗装工を追加した。原則として路盤工の面積が3000平方b以上であることなどが条件。横須賀土木事務所発注の「横土014―平成30年度道路改良工事(公共)その10・平成30年度道路改良工事(県単)その41合併」が初の案件で、受注者が希望すればモデル工事として実施することになっている。2019年度はこの他に、少なくとも土工3件がモデル工事として発注されている。
同局によるモデル工事は17年度にスタート。3次元起工測量やICT建設機械による施工、3次元データの納品に至る建設生産プロセス全段階でICTを全面的に活用する。「受注者希望型」とし、受注者がモデル工事の実施を希望する場合は、施工計画書の提出までに発注者と協議し、承諾を得る必要がある。
モデル工事を実施した場合の経費は設計変更で対応することとし、ICT施工歩掛参考資料に基づき積算を行う。また、モデル工事を実施し完成した場合に限り、工事成績評定で加点することになっている。
取り組み初年度に当たる17年度は3件を公告し、いずれも三浦縦貫道路U期の2件でICTを活用した取り組みを進めた。翌18年度は公告11件のうち、4件(横須賀土木2件、藤沢土木1件、厚木土木1件)で適用。原則として土工量5000立方b以上を対象としている。
建通新聞社の調べでは、19年度はこれまでに舗装工1件と土工3件を公告し、いずれも施工者が決まっている。このうち、舗装工は工事延長470bで、道路土工(掘削V1016立方b、盛土555立方b、法面整形1194平方b、床掘り411立方b、埋め戻し274立方b)。7月8日の開札を経て、ユタカ建設が施工者に決まった。
横須賀土木事務所のもう一方の案件「県土経1―7―平成30年度道路改良工事(公共)その9・令和元年度道路改良工事(県単)その1合併」はICT土工のモデル工事として発注され、下里建設が受注した。工事延長は290b。
両工事の施工場所はいずれも三浦市初声町和田の三浦縦貫道路U期区間。
19年度はこの他、藤沢土木事務所が2件を発注済み。「藤土6―令和元年度河川改修工事公共(その5)県単(その9)」(受注者・湘南営繕協会)と「藤土7―令和元年度河川改修工事公共(その3)県単(その7)」(受注者・安場土木)でいずれもICT土工のモデル工事としての位置付け。
提供:建通新聞社