四国地方整備局と高知県は7月30日、高知県建設事業調整会議を県庁で開き、高知県内の整備局所管事業について意見交換や政策提言を行った。尾ア正直知事は四国8の字ネットワークの整備促進や中小河川の治水対策について、国の迅速な対応に感謝の意を述べるとともに、引き続き重点的な予算配分を要望。また2018年度から3カ年で進めている緊急対策以降の予算確保も強く求めた。
会議には、四国地方整備局から小林稔局長をはじめとする局幹部や高知県内の出先事務所長など14人、県からは尾ア知事の他、村田重雄土木部長をはじめとする土木部幹部など14人が出席した。
四国地方整備局は、19年度の事業概要として、相ノ沢川総合内水対策事業や海部野根道路、大方四万十道路などに新規着手したことを報告。また局の取り組みとして、防災体制の充実・強化に向けた「防災グループ」を4月1日付で新設したことや、重要物流道路を契機とした「新たな広域道路交通計画」の策定、今後の港湾政策を取りまとめる「四国港湾ビジョン(仮称)」の検討、国土強靱(きょうじん)化地域計画の策定推進について概要を説明した。
これに対し尾ア知事は、豪雨災害対策に向け庁内で本部会議を常設したことや、19年度から南海トラフ地震対策の第4期行動計画がスタートしたことを報告するとともに「災害時には早期の道路啓開のため情報をリアルタイムで共有することが重要」と述べた。
県からは、四国8の字ネットワークの整備促進について、産業振興や観光振興での整備効果を示し、高速道路の整備がいかに重要かを強調。東洋町野根〜北川村安倉の整備については、延長約5`の長大トンネルなど大規模な構造物が大半を占め、急峻(きゅうしゅん)な地形と脆弱(ぜいじゃく)な地質であることから、直轄による権限代行実施の検討を行うための調査推進を求めた。また中小河川の治水対策では、新たな補助事業創設を受け、19年度に4河川で新規着手したことや、新たな地方債制度を活用し、県単独事業による局部的な河川改修を進めていることを報告。これらの効果発現のため、3カ年緊急対策以降も防災・減災に資する予算の確保を強く求めた。
これに対し整備局では、今後も引き続き予算確保に努め、地域の安心・安全を守れるよう事業を推進すると述べた。
提供:建通新聞社