2019年度香川県公共事業評価委員会(委員長・井原健雄香川大学名誉教授)が7月30日に高松市内で開かれ、社会資本整備総合交付金事業の主要地方道丸亀詫間豊浜線(多度津西工区)や都市計画道路中央村黒線など再評価対象となる5件について審議を行い、事業の必要性、事業進捗の見込みと、コスト縮減や代替案立案等の可能性の視点から確認し、椛川ダム関連2件を除く3件については事業を継続する県の対応方針を「妥当」とした。椛川ダム関連2件は次回、詳細審議とした。さらに現地調査を年度末までに椛川ダム河川総合開発事業において実施することも決めた。
丸亀詫間豊浜線多度津西工区は延長2・8`(多度津町)。00年度に着手し21年度の完了を予定しており、全体事業費は90億円。18年度まで68億7100万円、残事業費は21億2900万円。事業主体は県。トンネル本体(延長701b)と前後の箇所以外は完成。暫定2車線供用開始に向け、18年10月からトンネル工事を契約締結し工事中。進捗率は18年度末時点で工事費ベース69%。21年度末に暫定2車線で供用開始できる見込み。
都市計画道路中央村黒線(観音寺市)は延長1・28`で事業区間は755b。観音寺市中心市街地の内環状線の一環。02年度に事業着手し20年度に完了予定。全体事業費は41億4700万円、18年度末まで38億3800万円、残事業費3億0900万円。
全体改修区間755bのうち465bが完了し工事費ベースで74%、用地96%が完了。19年度に未買収地全ての契約を締結し20年度に残る改良工事を実施し事業を完了する見込み。コスト縮減策では、これまでの現場打ちからコンクリート2次製品を積極的に採用する。
農山漁村地域整備交付金事業森林管理道琴南財田線(三豊市、まんのう町)。90年度に着手し30年度に完了予定。総事業費は106億7500万円、18年度まで93億1700万円。進捗率は工事費ベースで87%。残事業費は13億5800万円。総合評価委では事業の必要性の視点に、担い手確保などを盛るよう求めた。
河川総合開発事業椛川ダム(高松市)(事業主体・県)では、総事業費が増加したため再評価を受けた。社会経済的要因で労務単価、資材単価が前回評価時からさらに上昇。追加法面対策などに係る増加や付け替え道路工事費の増加から16年度評価時の440億円から今回460億円とし20億円を追加。事業完了予定は21年度。全体事業の進捗率は18年度末で事業費ベースは73%。ダム本体のコンクリート打設は最終工程を迎え、工事費ベースで60%。付け替え道路の進捗率は延長ベースで97%。評価委は20億円の内訳説明を求め、県側から社会的要因で11億円。追加法面対策5億円、工法などの変更で4億円と報告した。
水道水源開発等施設整備椛川ダム(高松市)は、県広域水道企業団高松事務所が説明した。近年の社会情勢等の変化から事業費見直し(3・3億円増)したため、再評価した。
提供:建通新聞社