湖南市は、老朽化が著しい市営住宅田代ヶ池団地について、現在進めている耐震診断調査(担当=日匠設計)で基準値をクリアした場合は長寿命化整備へと進め22年度からの工事着手を、基準値を満たなかった場合は施設を除去する方針だ。
同団地は、岩根499番地131の敷地内に、中層耐火4階建、延約840平方bのC1棟(16戸)、同じく中層耐火4階建、延約437平方bのC2棟(8戸)の計2棟があり、どちらも昭和50年建設で老朽化が著しいことから耐震診断を行うこととした。当初、診断結果で調査結果が基準値を満たなかった場合、ただちに耐震補強案作成へと進め次年度以降に整備予算を確保していく考えであったが、整備手法を模索する中で、採算性・整備コスト・構造上の問題―などから補強を断念。基準値を満たせば22年度から長寿命化整備として▽シート防水の交換等を行う屋上防水工事▽ひび割れ補修等の外壁改修工事▽共有部・埋設部等のガス管更新▽給水管等の更新を行う給排水管共用部分更新▽床下地を整備する段差解消工事▽手すり・スロープ設置工事を実施(2棟合わせて1億2924万円程度の工事費が必要と試算)し、満たなかった場合は、除去に向けた各種調整へと進める方針だ。
耐震診断調査は、12月下旬までの委託を予定しており、完了後ただちに庁内精査へと進め、年度内には整備方針が決定される見通し。
市営住宅の現況を見ると、▽市営住宅の約7割が旧石部町地域で供給▽昭和40〜50年代に建設された準耐火2階建住宅は、耐用年数の半分を経過している▽60平方b以上のファミリー向けの住戸が半数以上を占めており、30平方b未満の住戸は供給されておらず、単身者などの小規模世帯向け住戸が少なくなっている。
なお、現地建替事業を計画している市営住宅・堂の上団地については、引き続き施設の修繕もしくは民間活用採用への方針転換に向けた整備体制の構築を進めていくことがすでに決定している。敷地約3700平方b内に、木造平屋建の住戸が20戸ある。昭和49年建設で老朽化が著しく、外観などの劣化も激しいことから、整備方針を検討している。今のところリノベーションでの活用は考えていない。なお、空き部屋も多く、施設の統合・廃止の判断といった決断を迫る声もあったが、同団地内で利用者同士のコミュニティが成立していることをうけ、施設を存続することを判断した。
提供:滋賀産業新聞