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建通新聞社
2019/08/02

【大阪】建設業女性活躍で意見聴取会

 建設業における女性活躍推進に関する新計画の策定に向け、国土交通省が全国の各ブロックで行っている意見聴取会が7月31日、大阪市内で開かれた。近畿地区の参加者からは育休制度、フレックス・時短勤務、現場復帰、託児所、ロールモデルなどのキーワードが挙がり、経験を積んで技術力を身に付けた女性技術者らが建設業でどう継続して働いていけるかに焦点が当てられた。意見聴取会は8月2日開催の沖縄で終了。8月末までのアンケート調査の結果も踏まえ、10月に骨子案をまとめ、12月には新計画を策定する予定だ。
 「当初は女性技術者が珍しいという立場で講演依頼があったが、最近は女性技術者が建設業で継続して働けるためにどうすればいいかというテーマに変わっている」と話したのは、ゼネコンの土木技術者として27年目という女性だ。18年の時点で1万8000人という女性技術者、10万4000人という女性技能者らは貴重な戦力となっており、技術を持ち、やる気のある女性たちが結婚や出産、子育てを経ても建設業界で働き続けられる対策が求められている。
 その上で出た課題として「子どもを育てながら現場に出るのはかなり無理をしないといけない」「自分だけ先に仕事を切り上げて現場を出るのは難しい」という現実を指摘。「遠い現場では子どもを預けられないため、職場復帰後は事務職として働いている」「会社には復帰制度もあるが、事務職での復帰が多く、技術職はほぼない」など、「現場の技術者」としての職場復帰に大きな壁があるという声が上がった。さらには育休制度の確立や時短・フレックスな働き方の浸透、託児所の設置、モデル工事による現場代理人の2人体制など、働きやすい現場づくりへの提案もあった。
 オブザーバーとして参加した国土交通省土地・建設産業局建設市場整備課労働資材対策室の藤本真也企画専門官は「現計画の反省や課題を踏まえ、どうしたらもっと女性技術者らが活躍できるか考えたい」と述べ、近畿地方整備局建政部建設産業第一課の城辰哉課長は「フレックスや時短、就業継続が女性活躍推進の次のテーマになりそうだ。新しい意見を取り入れて新計画に反映させたい」と話した。

提供:建通新聞社