末端給水事業の統合・広域化に取り組んでいる印旛郡市広域市町村圏事務組合(佐倉市宮小路町12、管理者・北村新司八街市長)は「印旛地域末端給水事業統合広域化検討業務」について、昨年度に基礎調査を担当した日水コン(千葉事務所・千葉市中央区本千葉町7―11)と随意契を締結し、作業を進めている。委託金額は1500万円(消費税抜き)。委託期間は2020年3月19日まで。
昨年度に実施した基礎調査によるデータなどを基に、印旛地域の末端給水事業9団体の事業統合を推進するため、広域化の方向性や考え方をまとめる。
具体的な業務内容は▽施設整備等に関する状況の把握・整理▽水需要、水源計画の精査▽施設再構築事業、更新事業の検討▽管理体制の検討▽財政収支の検討▽広域化の方向性の設定▽広域化の考え方の策定▽水道事業統合研究会及び同作業部会の運営支援。
末端給水事業の統合広域化に向け、末端給水事業体の成田市水道部、佐倉市上下水道部、四街道市上下水道部、八街市水道課、印西市水道部、白井市環境建設部上下水道課、富里市水道課、酒々井町上下水道課、長門川水道企業団水道課の9団体で構成する「印旛地域末端給水事業統合研究会」を昨年3月に設立。研究会の下部組織として作業部会を設置し、検討を開始した。
昨年度は3回の研究会と5回の作業部会を開催。本年度は5月に第1回目の研究会を開いた。年度内に3回の研究会と6回の作業部会の開催を予定している。
また、昨年度は「印旛地域末端給水事業統合に係る基礎調査業務」を、公募型プロポーザルで選定した日水コンに委託。末端給水事業体の統合に向けて基礎データを整理した。
具体的には、印旛地域における末端給水事業体の事業統合を中長期的及び包括的に検討するための基礎調査を実施。基本情報の収集・整理、業務指標を利用した現状評価などを行った。
基本情報の収集・整理では@業務統計A財務統計B施設諸元C運転管理・維持管理情報――などについて整理。日本水道協会規格の「水道事業ガイドラインJWWA Q100」の業務指標を基に、水質検査箇所密度、管路の耐震化率、技術職員率、料金回収率等を含む各種現状評価を実施した。
なお、同組合の印旛広域水道用水供給事業は、利根川から取水した原水を水道水として、成田市、佐倉市、四街道市、八街市、印西市、白井市、富里市、酒々井町、長門川水道企業団に供給。19年度の業務予定量は年間総給水量1962万7280m3、1日平均給水量5万3636m3を見込んでいる。