名古屋市は、名古屋駅駅前広場の再整備に当たり、「名古屋の顔づくり」に向けて一般に募集したアイデア発表会を開いた。金シャチや三英傑といった「定番」的な意見から、映像やスマートモビリティーといった最先端技術の分野でアイデアが披露された。
全体31件の提案のうち、当日は8件について提案者が発表を行った。
子どもワークショップ(6月23日、7月7日に実施、参加者15人)の検討結果では、▽小川のある広場▽アニメの舞台にしたい▽名古屋飯を食べたい「名古屋飯ミュージアム」▽みんなでまちをきれいにしておもてなし―を提案。
西側駅前広場に対しては、▽森をイメージできる規模で植栽を設け「駅前の杜」とする▽デジタルパネルを盛り込んだしゃちほこ、和傘付きベンチ、山車をモチーフとした街灯を配置し、和モダンで昼・夜・季節ごとにイベントを開く▽東側をサンライズ、西側をサンセットをイメージした広場とする―といったアイデアが示された。
東側駅前広場では▽名鉄線、地下鉄東山線、桜通線、地下街を見通せる大きな穴を設ける(穴=Holeの玄関口=Hall化)▽オン・オフピーク時やイベント時など活動内容によって施設配置を自動変更できるAI内蔵の植栽・ベンチなどの設置▽床埋設の大型LEDビジョンによる演出、地下につながる階段部のシェルターをガラスオブジェとして活用―。
提案発表に対し、河村たかし市長は「産業分野で日本一のこの名古屋を、名古屋に行こうかと思われるようにしたい」と発言。Web新聞編集長の森田和美氏は「(駅前広場再整備を)気にしているかしてないかで大きく変わる」と語った。駅前再整備のトータル検討会議メンバーの福井恒明法政大学教授は「検討会議では何を作るか≠ニいった検討が中心だが、今日の発表会のように何をしたいか≠フ意見を聞き、思いを新たにした」。また、検討会議メンバー(副座長)の堀越哲美愛知産業大学学長は「子どものアイデアは具体的で素晴らしかった。(アイデア実現に向かっては)ストレートに出さずに新しいものとのコンビネーションが大切だ。東西駅前の特性をどうつなぐか考えていかねばならない」と話した。
アイデア募集は5月13日〜6月28日まで行い、全体で31件の提案が寄せられた(東側16件、西側7件、両側8件)。
同期間に実施したアンケートでは、「This is NAGOYA」を語る上で重視する視点を▽歴史▽文化▽自然環境▽最先端技術▽その他―から選択してもらう設問などを実施。回答数(107件)の中では、重視する視点は最先端技術が31%でもっとも多く、次いで文化と自然環境の各18%、歴史11%の順だった。
提供:建通新聞社