市原市生涯学習部ふるさと文化課は31日、市民会館個別施設計画(長寿命化計画)策定支援業務委託の公募型プロポーザル手続きを開始した。1974年の竣工以来、一度も改修していない設備や改修推奨年数を大幅に超えている設備がほとんどで、管理運営に支障を来すリスクが高まっていることから、施設全体の健全度調査を実施し、計画的な保全・修繕を実施するための計画を策定する。履行期限は2021年3月25日(2か年継続事業)、契約上限額(消費税を含む)は1947万円(19年度578万2590円、20年度1368万7410円)。
参加資格は、09年度から18年度までの10年間に、おおむね400席以上のホールを含む劇場、音楽堂等について、同種または類似の業務を単体あるいは共同企業体の構成員として、受注または完了した実績を有すること。同市入札参加資格者名簿の建築関係建設コンサルタントに登録があること等。グループとしての参加も可。
参加申請書等の提出期限は今月14日、技術提案書等の提出期限は9月24日。10月4日のプレゼンテーションを経て、同11日に選定結果を通知するとともに、同中旬に契約を結ぶ予定。
対象となる市民会館(惣社1−1−1)は、RC造4階建て、延べ3463uの会議室棟と、RC造3階建て、延べ8339uのホール棟から成る。1527席の大ホール、491席の小ホールのほか会議室や和室、宴会室、レストラン等を備えている。
会議室棟は耐震診断の結果に基づき、15年に耐震改修を実施済み(補強後Is値0・7)。ホール棟は耐震基準に適合(Is値1・23)しており、13年に天井落下防止工事を実施済み。
原則として、施設の一般的耐用年数を超える延命化のための全体的かつ大規模な改修のほか、延命化までの予防保全としての部分的な改修、中規模改修及び大規模改修、ならびに機能的に延命化が困難な場合における建替え(改築)や建替えまでの事後保全的な修繕に係る計画的取り組みを検討する。
検討事項は、@施設の健全度の把握A延命化に対する基本的な考え方B施設の目標使用年数の設定C整備水準の設定D優先順位の設定E予防保全に対する基本的な考え方F保全の細分化の考え方G他の事業とのリンク。保全計画表は、おおむね25年間(45年度ごろまで)、事業計画表は21年度から30年度までの期間で作成する。
施設の健全度の把握では、市が示す調査項目に従って構造躯体の健全性及び仕上げ材や設備の劣化状況を調査し、経済性や機能上の観点から延命化の可否を判断する。
延命化に対する基本的な考え方は、一般的に延命化は、建替えに比べ4割程度のコスト削減が見込まれることから、原則として目標使用年数70年以上を目指し延命化改修を優先的に検討。ただし、劣化が著しく、延命化が経済性や機能性の面で必ずしも有利とは限らないことから、劣化の状況によっては建て替えた場合とのコストを簡易的に比較検討する。
施設の目標使用年数の設定では、目標使用年数70年以上を基本としつつ、施設の方向性やコスト制約ラインを考慮した上で、最適な目標使用年数を設定。
整備水準の設定では、公共施設に求められる機能は時代とともに変化することを踏まえ、単に建設当時の水準に回復するだけでなく、ユニバーサル性能、省エネルギー性能、環境影響等の社会的要請に応えるための改修等について様々な視点から検討し、文化施設としての標準的な整備水準を設定する。
優先順位の設定では、法令等に関わるもの、市民の安全に関わるもの、施設の寿命を大きく損なうもの、施設の運営に大きな影響があるものといった視点を考慮し、各部材の劣化状況も含めて総合的に優先順位を付ける。
予防保全に対する基本的な考え方に関しては、目標使用年数に達するまで予防保全に積極的に取り組むものとし、その際、法定点検や日常点検など様々な点検結果にを基に実施時期を決定する「状態監視保全」を基本としつつ、時間計画保全(メーカー推奨周期に基づく保全)または事後保全を適切に組み合わせて取り組む。
施設の細分化の考え方に関しては、施設の休館期間を極力少なくするという観点から、対象設備等の細分化を行い、期間や費用の平準化を検討する。
他の事業とのリンクに関しては、バリアフリーに対応しない部分は利用者の傾向等を踏まえた必要な対応を含むものとし、LED化等の省エネルギー化の可能性についても積極的に提案する。