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日刊建設工業新聞
2019/07/26

【鳥取】西部総合事務所新棟整備事業/PFI(BTO)導入決める

 県は、25日県庁で開いた令和元年度第1回県有施設・資産有効活用戦略会議(座長=野川聡副知事)で、PFI手法(BTO)によるエネルギー棟合築とPPP手法による定期借地権設定による民間ビル入居(エネルギー棟別棟)の2案で導入可能性を調査している西部総合事務所新棟整備(福祉保健局の移転新築を含む)について、2019年1月25日に開いた18年度第3回会議で「PFI手法の方が有利」として示した中間報告の通り「BTO方式によるPFI手法の導入」を正式に決めた。
 これを受け、県と米子市が米子市糀町にある県西部総合事務所敷地の旧米子警察署跡地に共同で計画している新棟整備は今後、9月県議会にアドバイザリー業務委託経費を予算計上し、事業者選定に必要な作業に入り、20年度に民間事業者の決め、13年度までに整備する予定。新棟の想定面積は約4000平方bで、整備費は約20〜15億円(23億円程度)が試算されている。
 戦略会議で示されたPFIの事業内容は、旧米子警察署などの除却、新棟の整備、既存棟(本館・新館)の改修(部局移転に伴う模様替えなどの改修のみ)、総合事務所全体の維持管理。整備費は約20〜25億円(23億円程度)を試算している。新棟の建物概要は、3階建てで面積約4000平方bを想定しており、県の事務室が約1100平方b、市の事務室が約800平方b、機械室が約1000平方b、共用部分(廊下・トイレなど)が約1100平方b。
 7月12日の県と米子市との合意事項で、市民サービスの向上と業務の効率化の観点から新棟には米子市の都市整備部と県の県土整備局が入り、米子税務署に近い米子市役所に県税事務所の移転、福祉保健局は本館に入る。また、民間事業者の自主事業として民間収益施設の併設などの提案も認める考えにしており、その場合は施設の面積に応じて増設される。
 また、米子東福原にある西部福祉保健局の敷地(約5479平方b)は、これまでのマーケットサウンディングで複数の土地購入希望があることから、23年度の移転後に、土地売却手続きに入るとしている。更地評価額は2億円程度(解体費1億円程度)を想定している。
 今回の新棟整備は、市庁舎再編(第二庁舎の借地料の軽減)を検討中の米子市から市の一部部局の移転の打診があったのを受けて決まった県と市(町村)による初めての共同整備で、「今回のケースは県単独での事業実施ではなく、米子市との連携という初めてのケース」(野川副知事)としてPFI事業の新しい展開として今後の事業の成り行きが注目される。

日刊建設工業新聞