東京都建設局江東治水事務所は、隅田川の新田一丁目北地区でのスーパー堤防整備に向けた設計作業を開始する。足立区の旧新田中学校跡地に接する延長約150b区間を対象に盛土などを実施し、このうち上流側と下流側の合計延長90b区間では既設のコンクリート特殊堤の耐震対策も併せて検討する。8月5日参加申請締め切り、9月5日開札の希望制指名競争(技術実績重視型総合評価落札方式)を経て設計者を選定し、年度内に成果をまとめる。
荒川と隅田川に挟まれ、町工場や倉庫などと住宅が混在していた新田地区では、大規模工場の移転に伴う土地利用転換を適切に誘導するため、生活幹線道路やスーパー堤防といった公共施設の整備と、周辺地区の居住環境の改善を総合的に進めている。
今回設計を行う新田一丁目北地区は、隅田川と旧新田中学校跡地に面した延長約150bの区間が対象。軟弱地盤への対策を実施し、盛土を行ってスーパー堤防を整備するとともに、上流側と下流側の計延長90b区間について、頻度は低いものの極めて強い地震動(レベル2地震動)が発生しても機能を損なわないよう、既設防潮堤(RC特殊堤)の耐震性能を照査した上で、自立式鋼矢板などによる耐震対策を実施する計画。
上空制限や密集市街地との近接といった施工条件も踏まえて工法を比較検討し、経済性や施工性、環境適合性などを総合的に評価して最適な工法を絞り込む。
付帯施設として、河川管理用通路から堤防にアプローチするためのスロープと、堤防天端からテラスへアプローチするためのスロープと階段についても検討し、全体の施工計画を取りまとめる。
提供:建通新聞社