日本工業経済新聞社(茨城)
2019/07/19
【茨城】県央地区9市町村が県へ要望/国道6号の整備促進を
水戸市など9市町村で構成する県央地域首長懇話会(座長=高橋靖水戸市長)は18日、県央地域における事業促進に関する要望書を県に提出した。国道6号の整備促進など地域全体に関する要望4項目、広域における事業促進に関する要望17項目について格段の配慮を求めた。要望を受けて大井川和彦県知事は「県央地域は、つくば、土浦とともに県の核となるべき地域。若者が戻ってくるような、魅力的なまちづくりを考えていきたい」と応じた。
県央地域首長懇話会は、水戸市、笠間市、ひたちなか市、那珂市、小美玉市、茨城町、大洗町、城里町、東海村で構成。県央地域全体の発展に向け、各市町村の要望事項をまとめ、県に対する要望活動を実施している。
冒頭の座長あいさつでは、高橋水戸市長が「当会は2008年に設立し、圏域の発展に向け協議を重ねてきた。17年からは、定住自立圏共生ビジョンに位置付けた地域公共交通など7分野の事業に取り組んでいる」と経緯を説明。
さらに「この取り組みをより効果的にするため、高規格幹線道路、茨城空港や港湾など着実に整備されている社会資本をさらに充実させ、広域連携によって人の交流や物流につなげ、より一層の発展を目指す。引き続き県央地域の安心・安全な生活を確保するため、各種事業を要望する」と述べた。
県央地域全体の要望のうち、国道6号の整備促進として県内区間の4車線化やバイパス化などの機能強化を要望。特に@水戸市内の国道50号バイパス交点を中心とした周辺道路の渋滞解消A小美玉市内バイパス(石岡市行政界〜茨城町行政界間)の早期事業化B茨城町内の小美玉市行政界〜長岡間の4車線整備C那珂市向山〜東海村石神外宿間の4車線整備―について配慮を望んだ。
社会資本総合整備事業については、防災・安全交付金事業や道路事業などの事業費補助を国に働きかけるよう求めた。
また、財政支援制度の創設については、防災行政無線のデジタル化推進に向けた支援制度や施設の統廃合による公共施設建築物の除却および施設改修に対する助成制度の創設を要望。
各市町村の要望では、東海村が国道6号の村内区間の整備促進を挙げ、早期の供用開始に向け用地取得などについて支援を得られるよう求めた。
小美玉市は茨城空港へのアクセス向上のため、(仮称)石岡小美玉スマートインターチェンジアクセス道路の早期整備、国道355号玉里石岡バイパスおよび(仮称)百里飛行場南北線の早期事業化を要望した。
笠間市は、茨城中央工業団地(笠間地区)における企業誘致の推進と流通センター東西線(主要地方道大洗友部線)および流通センター北線(主要地方道石岡城里線バイパス)の早期整備を求めた。
また、県畜産試験場跡地において、北街区および東街区へ積極的な企業誘致を図り、アクセス道路である県道平友部停車場線の未改良区間の早期整備を要望。
大洗町は、茨城港大洗港区において岸壁延長や水深不足のため3万t級のクルーズ客船が着岸できない状況を説明。機能強化に向け茨城港港湾計画に位置付けられている旅客ふ頭の整備を要望した。
ひたちなか市では、ひたちなか地区の土地利用について、国、県、地元市村による連絡、調整を図るよう求めた。また、都市センターエリアについては交通・交流拠点を形成するため、交流機能や交通結節機能、宿泊機能などの導入について検討するよう望んだ。
那珂市では、国道118号の市内バイパス(飯田〜常陸大宮市行政界間)の4車線整備および県道常陸那珂港山方線の額田地区および酒出地区の整備を要望。
城里町は、国道123号の町内バイパス(特に圷〜粟間の未整備区間)について、早期整備に向け、計上されている予算執行の迅速化と十分な予算の確保などの配慮を求めた。
茨城町は、主要地方道大洗友部線の国道6号〜茨城中央工業団地(駒渡側)間のバイパス整備促進および町内の駒場〜海老沢間の未改良区間の早期整備を要望した。