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日本工業経済新聞社(茨城)
2019/07/17

【茨城】日立市が萬春園設計プロポ公告/延べ5600u、事業費約24億円

 日立市は萬春園の再整備に向けた基本設計業務を、公募型プロポーザルで公告した。参加表明書の提出期限は8月1日までで、9月中旬に一次審査を、同月下旬に二次審査を行う予定。順調なら10月から基本設計の策定に入り、2021年度に着工する。施設規模は特養本館棟が2階建て延べ約5000u。特養建設終了後に整備を検討する併設の認知症支援関連施設は平屋約600u。事業費の総額は約24億円を想定する。
 現在の萬春園の規模はRC造地上2階、地下1階建て、延べ2895・4u。設備は居室(4人部屋24室、2人部屋3室)、静養室、浴室、医務室、食堂、機能訓練室、相談室、事務室。敷地面積は5866・82u。
 1975年に定員50人で開所。その後、地域ニーズに応じて定員100人に増設した。またデイサービスセンターや短期入所生活介護を併設するなど、市の高齢者介護を支えてきた。
 しかし建設から約半世紀が経過して老朽化が深刻な状態にあり、必要な耐震性も有していない。
 さらに居室面積が50年前の基準で整備されており現在の基準を満たしていないなどの課題もあるため、近隣に新施設を整備して環境改善を図ることとした。
 再整備予定地は鮎川町3−5−1で、油縄子小学校の南側に位置する。敷地面積は8987・88u。同地を選定した理由は、現施設から近距離で連携医療機関(ひたち医療センター)との連携体制が維持できること、土地形状が大きな造成工事を必要としない平坦な地形であることなど。
 新施設には、現施設で有する特別養護老人ホーム(100床)、短期入所生活介護、居宅介護支援の機能を同様に盛り込む。特別養護老人ホームの1床当たりの面積は約6・58uから約11・5uと拡張する。
 また新たに取り入れる機能としては、地域交流スペース、福祉機器の活用・展示。将来的には認知症支援関連施設の併設も検討する。一方で、現施設にある通所介護(デイサービスセンター)は、民間事業者が行っているもので十分に充足していると判断し、新施設では廃止とする。
 建物以外の設備については、駐車場は約2500uで、80〜100台程度を確保する。また簡易な機能訓練ゾーン(リフレッシュエリア)を設置。だれもが使いやすいよう、芝生などに設ける。面積は約1200u。緑地は市の緑化指導基準に基づく1800uを整備する予定。
 今後の事業スケジュールは、2019年度に基本設計を、20年度に実施設計をまとめて21〜22年度に工事を行う。
 なお実施設計および工事監理業務については、取り組み姿勢や遂行状況などを勘案した上で、基本設計事業者と別途随意契約を結ぶ予定。