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建通新聞社(中部)
2019/07/30

【愛知】名古屋市緑土局 大江川の予備設計に着手

 名古屋市緑政土木局は、大江川の地震・津波対策に伴う、汚染土壌対策に向けた予備設計に着手する。これに先立ち、予備設計業務の一般競争入札を公告した。入札書は8月19〜21日に受け付ける。履行期間は2020年3月30日まで。本年度は予備設計をまとめるとともに、公有水面埋め立てに伴う、市条例に基づく環境影響評価の手続きを進める方針だ。環境影響評価手続きは、本年度内に配慮書と方法書の作成を行うスケジュールを想定している。秋ごろにも配慮書、20年春ごろにも方法書の縦覧手続きをそれぞれ進めるとみられる。
 汚染土壌対策の予備設計対象区間は、ボックスカルバート化している大江川緑地の西側吐口から名古屋高速4号東海線との交差部の東側まで。全体延長は約1・2`。現状は、大江川緑地側の約0・6`が河川区間、そこから西側が海岸堤防となっている。河川幅員は約90b。ボックスカルバート化している既設管渠は幅員5b、高さ3・5b。
 汚染土壌については、1979年から86年にかけてアスファルトマット(厚さ5a)による封じ込め対策を行った。ただ、巨大地震発生時には河床部が液状化した場合にアスファルトマットが破壊されると堆積物が噴出する可能性があるため、河川を暗渠化する対策を実施することとした。
 予備設計では、暗渠工の基本諸元や構造などを検討する他、施工計画、土砂投入の方法などを検討する。河川幅員に余裕があるため、現時点では河川北側をオープン水路として活用し、南側で施工する方法を想定しており、施工方法が妥当かどうかを把握する。また、埋め立て土の入手・運搬方法、一時保管場所や、埋め立て土の土質基準、土の沈下量想定や圧密期間についての検討も行う。その他、暗渠化する区間に接続している既設排水ポンプの取り付けタイミングなども検討する。
 大江川の地震・津波対策は、河口部を海岸堤防化して排水ゲートを設置、現水面部を埋め立てることで、河川底部の液状化対策を行う。海岸堤防化により既設の海岸堤防や河川護岸の巨大地震時の堤防・護岸の沈下対策を別途行う必要がなくなるメリットもある。埋め立て面積は約10・3f。市条例で求められる環境影響評価手続き(公有水面埋め立てで10f以上)に該当する。対象地区は港湾計画区域で、緑政土木局所管のその他緑地(9・2f)と名古屋港管理組合所管の緑地(1・1f)に分かれる。埋め立て認可申請は、同所管分ごとに行う。
 海岸堤防を整備する名古屋港管理組合は、本年度に海岸堤防化に伴う基本設計を実施する計画。秋までに基本設計に着手するとみられる。

提供:建通新聞社