東京都は都市計画道路「環状第4号線(港南・高輪)」を事業化する。旧海岸通りと国道15号を結ぶ港南区間はJR線などをまたぐ橋梁構造、国道15号と国道1号を連絡する高輪区間は平面構造を中心とし、延長1270bにわたって道路を新設・拡幅する計画。7月29日付で国土交通省の認可を得たことから今後、事業を担当する建設局第一建設事務所と都市整備局第一市街地整備事務所が地質調査や測量、設計、用地交渉を進める。港南区間では橋梁整備に先立つ準備工事に年度内に着手する考えだ。
環状第4号線は、港区港南3丁目と江東区新砂3丁目を連絡する延長約30`の都市計画道路で、このうち事業認可を得た「港南・高輪」地区は港区港南1丁目〜高輪3丁目の延長1270b。起点となる都道第316号旧海岸通りから西進し、品川駅の北側でJR各線や京浜急行の線路、第一京浜(国道15号)をまたいだ後、平面構造で進み桜田通り(国道1号)と平面交差する。
道路構造は、港南区間が起点から延長0・2`が平面構造(幅員30b)で、JR各線や京浜急行本線などの線路や国道15号をまたぐ延長0・6`が橋梁構造(同25・6〜30b)。続く高輪区間は国道15号との接続部に側道部(同33・5b)を設け、残る区間は平面構造(同30b)とする。
橋梁の上部形式は全て連続鋼床版箱桁橋、下部工については橋台2基と橋脚13基の設置を想定。既に全区間で(JR線をまたぐ区間についてはJRに委託して)詳細設計を進めている。工事については、運行している複数の鉄道をまたぐため、鉄道事業者に委託して進めることとし、年度内に都が準備工事に着手する考え。
平面部(高輪区間)については、先行取得している都有地(高輪衆議院議員宿舎跡地、面積1万3691平方b)の一部を道路用地に充てるとともに、残る敷地を種地に、権利者の移転先となる共同化ビルの整備(共同化事業)と土地区画整理事業を一体的に施行することを想定している。
19年度に土地利用計画や公共施設の基本方針、用途地域などを検討し、環状第4号線高輪地区の地区計画素案を作成するとともに、事業スキームを考える。沿道整備街路事業の枠組みで行う土地区画整理事業は、権利者の同意が必要になるため、生活再建の意向などを踏まえて事業計画案を作成する方針。
事業期間は19〜32年度の14カ年。事業費に876億円を見込んでいる。
提供:建通新聞社