名古屋市住宅都市局は、2026年アジア競技大会で整備する選手村の周辺エリア(港北エリア)のまちづくりに向けた将来ビジョンを策定するため、調査検討業務の公募型プロポーザルを行い、地域計画建築研究所名古屋事務所(名古屋市中村区)に委託した。契約日は7月16日付け。選手村敷地の開発を行う民間事業者が投資を行いやすいよう、周辺エリア内の公有地を活用した地域の魅力アップ方策を盛り込む見通しだ。愛知県と名古屋市が検討している、選手村後利用基本構想の策定に合わせた将来ビジョンの公表を目指す見込み。
18年度までの検討で▽地域のブランドづくり▽地域コミュニティーの重要性▽エリア内の東西動線(東海通)の工夫―などをまちづくりの方向性において盛り込む要素と考えている。
本年度の検討では、18年度の検討を踏まえて、港北エリアの評価やゾーニング、位置付け、特性、課題などを踏まえて同エリアのまちづくり方針をまとめる。また、選手村後利用開発での民間投資促進につながる、具体的なまちづくりプロジェクトの検討・具体化を行う。まちづくりプロジェクトは、地域住民や権利者、民間事業者など多様な主体が実施することを想定。実現できる事業手法や推進体制について検討する考え。
その他、選手村周辺のまちづくりでの民間投資促進方策も検討する。投資促進方策には民間投資に対するインセンティブといったものの他、地域の魅力を高めるインフラ整備施策も考えられるが詳細は本年度業務を踏まえて検討する見込み。
名古屋競馬場の敷地は約20f。大会後は選手村整備に伴う土地利用転換をきっかけとして地域活性化の核となることが期待されているものの、現状において周辺エリアは民間投資が活発とは言いにくい。
愛知県と名古屋市で組織するアジア競技大会愛知・名古屋合同準備会が18年度に実施した民間研究会の対話成果報告でも、エリアの将来像が見えることの重要性を指摘する意見が出ている。
港北エリアの将来ビジョンには、周辺エリア内の道路や公園、中川運河沿いといった公有地を活用した魅力アップ方策が盛り込まれる見込み。20年度以降の事業展開は定まっていないが、個別の魅力アップ施策が盛り込まれた場合は、次年度以降に検討を進めていくとみられる。
提供:建通新聞社