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北陸工業新聞社
2019/07/26

【石川】游心亭再現、活動する美術館に/谷口吉郎・吉生記念金沢建築館/きょうオープン 

 金沢市が寺町5丁目に整備した「谷口吉郎・吉生記念金沢建築館」の報道陣向け内覧会が25日、開かれた。館内には建築家・吉郎氏の代表作である迎賓館赤坂離宮和風別館「游心亭(ゆうしんてい)」の広間や茶室を忠実に再現したほか、生前手掛けた設計作品の模型など貴重な資料も展示している。26日午後2時から一般オープンする。
 市名誉市民第1号である吉郎氏の顕彰や金沢の建築文化の発信を目的に建設された。寺町で育った吉郎氏の生家跡地を市が譲り受け、息子で同じく建築家である吉生氏が設計を手掛けた。
 建築作品として常設展示する「游心亭」の広間と茶室は、その寸法から柱や梁などすべての素材を元と同じものを使用。日本の伝統建築の美しさを職人の手仕事で見事に再現した。広間から広縁、さらに外部の水庭の先までが一体となって展開する開放的な造りとなった。
 企画展示スペースでは、吉郎氏の主要作である「東京国立近代美術館」や「帝国劇場」などの模型を展示してあるほか、ヨーロッパのモダニズムから始まった設計思考の歴史や作品を写真パネルで紹介。文筆家としても知られる氏の書籍や原稿も展示している。開館記念特別展「清らかな意匠」として来年1月19日まで開催する。
 このほか、寺町通りを眺めながら軽食できるカフェやミュージアムショップも設けられた。
 内覧会に立ち会った吉生氏は「今後は国際的レベルや金沢のまちづくりなど色んな展示を展開し、単なる父の記念館ではなく、活動する美術館として育っていくことを願う」と話した。水野一郎館長、今回の特別展を監修した藤岡洋保東京工業大学教授も同席した。

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