県土整備部は受注者の負担軽減や監督、検査体制の効率化に結び付けようと工事書類のスリム化に取り組む。工事検査課と連携し、県土木施工管理技士会とともにワーキンググループ(WG)を設置。12日開いた第1回目の会合では、技士会から書類の増大につながっている実態を指摘する声が上がった。
現場技術者の不足を背景に、県建設業協会や技士会は「働き方改革」の一つに工事関係書類の簡素化を挙げて改善を求めている。
WGの初会合には県技術企画課と工事検査課の両課長、技士会から井中紳二会長と各地区技術委員らが出席。技士会は若手技術者が退職する要因に検査書類の作成があると訴え、検査員によって求められる内容が異なり、書類が増えていく構造を説明。その上で、統一化された「検査マニュアル」の策定を提案した。
また、国交省と同じように監督員が段階確認した内容は、検査の対象外にしてほしいと要望し、検査に関連する意見が多くを占めた。
一方、工事成績が影響する入札制度を抜本的に見直さなければ書類は削減できないといった声もあった。
工事書類の削減は長年の課題として取り上げられているわりには、変化に兆しがみられない。同部は「今回、出された課題をまとめ、来月下旬の会合(WG)で一定の方向性を打ち出したい」(技術企画課)と話しており、改善に向けて一歩ずつ前進させたい考えだ。
日刊建設工業新聞