滋賀県は、国道477号補助道路修繕事業として、6月補正で、令和2年度までの債務負担行為として、5億7000万円の予算を確保した。
同事業は、甲賀市土山町大河原〜守山市小浜町、近江八幡市の古川町までを対象とした道路全般修繕事業であり、今回の債務負担行為で甲賀土木事務所管轄の武平工区の災害防除事業費、南部土木事務所管轄の幸浜大橋と古川橋の橋梁修繕工事費、東近江土木事務所管轄の古川橋修繕対策工事費―の計3土木事務所からの要求事業費を計上した。
その中で、甲賀土木事務所管轄の武平工区の災害防除事業は、国道477号の鈴鹿山脈を越える山岳道路「鈴鹿スカイライン」(三重県菰野町〜滋賀県甲賀市)の滋賀県側(甲賀市土山町大河原地先)で継続して実施している災害防除に関する各種整備工事で。17・18年度と2ヵ年連続で落石防護柵の設置工事を発注しており、今年度についても防除工事を発注する考えではあるが、当該工区は12月上旬から3月下旬までの間、積雪により冬季通行止めとなり、単年度による実施が不可能となるため、債務負担行為を実施する。
鈴鹿スカイラインは、69年(昭和44年)に着工し、72年(昭和47年)11月に開通した。かつては、三重県道路公社と滋賀県道路公社が管理する有料道路だったが、97年(平成9年)11月に無料開放。93年(平成5年)4月に国道477号に指定され、無料開放以降は、鈴鹿山脈のシンボルと称される御在所岳と鎌ヶ岳の間にある武平峠の直下、標高約800bの地点を抜ける「武平トンネル」を境に三重・滋賀両県が管理することとなった。
8年(平成20年)9月2日から3日にかけて降った大雨で、大規模な道路法面の崩壊が発生し、三重県菰野町の鳥居道山キャンプ場ゲートから県境を越えて甲賀市土山町大河原の野洲川ダム付近の第一ゲートまでの区間が、11年(平成23年)10月まで約3年間、通行止めに。以降大きな崩落等はないが、開通から40年を超え老朽化は著しいことから、道路の修繕(災害防除)事業が継続して実施されている。落石防護対策や吹付け法面の崩落対策―などを行ってはいるものの、まだまだ長期間を要する見通し。
提供:滋賀産業新聞