福井県が美浜町と連携し美浜町久々子地係の園芸研究センター北側で整備を進めてきた福井県園芸体験施設「園芸LABOの丘」が竣工し、20日にテープカットなどオープン記念式典が挙行された。県が学習エリアに科学実験や調理加工、工芸体験ができる園芸LABOなど、美浜町が交流エリアに地元野菜と特産品を揃えた直売所やレストランで構成される健康楽膳拠点施設「こるぱ」を整備。県内はもとより北陸新幹線敦賀開業を見据え、県外から交流人口拡大と嶺南地域活性化が期待される。
この日は、地元関係者や工事関係者のほか、バルーンを手にした地元小学生・園児らが園芸LABOの前でオープンを待ちわびていた。杉本達治知事と戸嶋秀樹美浜町長をはじめ、県や町関係者らによるテープカットとともに子ども達が一斉に空へ向かってバルーンをリリースした。
園芸LABO内に移動して行われたオープン記念式典で杉本知事が「色や形の違う世界のトマトを見たり、トマトを使ったピザづくり、やさいの絵の具で絵葉書を書くこともできる」と園芸LABOの丘の特長をPR。戸嶋町長は町が整備した健康楽膳拠点施設について「レストランや直売所を備え、両施設が有機的に連携することで健康意識の醸成、園芸への理解促進はもとより一層の集客につながる」と期待を寄せた。さらに「久々子湖畔のサイクリングロードやウオーキングコース、町総合運動公園とも近接しており、ヘルスツーリズムの中核的な施設として役割を担えるように取り組んでいきたい」と意欲を示した。
その後、杉本知事と戸嶋町長らはオープニングイベントとして園芸LABO内で行われた「トマトピザづくり」や「やさい絵の具での絵葉書づくり/トマト押し花アート」の体験教室を見学。杉本知事は子ども達に「夏休みの宿題ができていいね」などと笑顔で話しかけた。同日、グランドオープンした美浜町健康楽膳拠点施設にも立ち寄り試食を楽しんだ。
福井県園芸体験施設は、園芸研究センターの試験研究機関としての強みを活かそうと北側隣接地(約2・2ヘクタール)を拡張。学習・交流・展示のエリアに分け16年度から整備に着手。美浜町が健康楽膳拠点施設(W造平屋建て約500平方メートル)のほか、県が園芸LABO(W造平屋建て約570平方メートル)、世界のトマトのルーツを知ることができる展示ハウス、春や秋の七草など食べられる野草や山菜を展示・摘み取り体験ができる野草園などを設けた。美浜町健康楽膳拠点施設を含めた事業費は約11億4000万円。