秋田市上下水道局は、下水道管路の維持管理で複数年契約による包括管理の導入を検討しており、現在は「管路施設の維持管理に関する包括的民間委託の導入に向けた事前調査業務委託」を日本下水道新技術機構に委託し進めている。今回の業務で包括委託のフローづくりなどを実施し、令和2年度には発注者支援業務を委託、3年度中の包括業務開始を目指す。
現在、同市では、古くなって破損したり詰まりを起こしたりしている下水道管路への対応を、年間契約の維持管理業務として企業単体に委託している。近年、国でも下水道管路施設の管理業務で包括的民間委託の導入を促進しているため、秋田市でも検討に着手し、管理者の負担軽減などにつなげる。
同様の取り組みは現在、県も進めており、今年度は秋田湾・雄物川流域下水道臨海処理区の管渠で包括管理の可能性を検討する。ただ、秋田市の下水道管路は県よりも前となる昭和7年から整備に着手し、最近は面整備をほぼ終えて今後は維持管理にシフトするなど、臨海処理区の流域市町村とは状況が異なるため、単独で複数年の包括管理を検討する。
日本下水道新技術機構に委託し進めている事前調査では、包括管理の内容やフロー、民間企業への事業意向参入調査などが行われる。来年度には発注者支援業務も委託し、リスク分担の検討や要求水準書の作成などに着手したい考え。包括管理は共同企業体への委託を視野に入れており、早ければ令和3年度中の業務開始を目指す。
提供:秋田建設工業新聞社