東日本建設業保証富山支店は、19年度第1回「建設業景況調査」の結果をまとめた。
四半期ごとに集計しているもの。調査企業は新川、富山、高岡、砺波の各地区から業種や完工高、資本金のバランスを踏まえ抽出。項目ごとに4月から6月の今期(第1四半期)実績、7月から9月の来期見通しを算出した。回答は67社。
項目別の数値を見ると、「業況等」の地元建設業界の景気は今期、悪い傾向から良い傾向に転じた。良いとの回答が、悪いとの回答を上回ったのは14年12月以来、4年半ぶり。来期は一転、悪い傾向がかなり強まる見通しだ。
今期の「受注総額」は、減少傾向がやや弱まった。前期と比べ、民間工事の基調に変化はないが、官公庁工事では減少傾向が弱まった。来期の受注は、官・民工事ともに減少傾向が若干強まる見込み。
「資金繰り」は、厳しい傾向から容易な傾向に転じた。来期は厳しい傾向に転じるもよう。
今期の「金融」は、銀行等貸出傾向で容易な傾向が続いており、短期借入金、短期借入金利ともに大きな変動は見られなかった。来期も同様の傾向が続く見通しだが、短期借入金は、増加傾向がやや強まる方向。
「資材」関連は今期、資材の調達で困難な傾向が続いており、資材価格も上昇傾向が続いている。来期は、資材の調達で困難な傾向が強まる見通しで、資材価格も上昇傾向が強まるもよう。
今期の「労務」は、建設労働者の確保で困難な傾向がかなり強まり、賃金も上昇傾向が相当強まった。来期も概ね同様の傾向が続く見込みだが、賃金は上昇傾向が弱まる方向。
今期の「収益」は、減少傾向が強まった。減少の理由では、『完成工事高の減少』が最多で、『人件費の上昇』が続いた。来期の収益は今期と同様、減少傾向が続く見通しだ。
今期の経営上の問題点は『人手不足』が依然トップ。以下、『従業員の高齢化』、『受注の減少』、『競争激化』、『下請の確保難』の順。