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建通新聞社四国
2019/07/23

【香川】四国地方整備局 小林局長就任記者会見

 国土交通省四国地方整備局の小林稔(こばやし・みのる)局長の就任記者会見が7月18日、高松サンポート合同庁舎で行われ、@安全・安心A地域活性化B建設業の働き方改革と生産性革命―の三つをテーマに重点的に取り組む考えを示した=写真。
 安全・安心の観点では、昨年の7月豪雨で甚大な被害を受けた肱川流域で、緊急治水対策を集中的に実施する他、鹿野川ダムの改造(トンネル洪水吐の完成)が完了したことから、野村ダムとともに同ダムの操作ルールを見直す。
 また、防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3カ年緊急対策としての重要インフラ整備など、これらを含むハード対策を着実に推進。併せて、想定を超える大規模水害に備え、「水防災意識社会」の再構築に向けてソフト施策を推進する。
 地域活性化の観点では、道路で『命の道』となる「四国8の字ネットワーク」による、安全で円滑な物流を確保。港湾分野で地域経済を支える海上輸送の機能を強化。観光面からもインバウンド効果が生きる強力な施策の実現を挙げた。
 建設業の働き方改革・生産性革命では「建設業は国土づくり、地域経済を支え、災害時に地域社会の安全・安心を守る『守り手』である」とした上で、新担い手3法を踏まえ、「生産性の向上」「処遇改善」「人材育成」を3本柱として、働き方改革を重点的に推進する。
 このうち「生産性の向上」では、本年度を「i-Construction貫徹の年」と位置付け、ICT施工を前年度比で倍増とする考えや、直轄モデル事務所の松山河川国道事務所で、施工から管理まで一貫して3次元データの活用をリードする、特定プロジェクトを推進する。他の直轄3出先事務所でも地方自治体と地域企業の「i-Construction」をサポート。ICT施工のさらなる普及・拡大を図る考えを示した。
 「処遇改善」については、直轄での発注(本官・発注者指定型、事務所発注(分任官)・件数で半分程度)に週休2日を導入。「人材育成」では、若手技術者やキャリアアップシステムが取り込める仕組みを重点的に進めるなどとした。
 小林局長は今年7月から現職。印象に残る業務は北海道運輸局企画観光部長時代。仕事の進め方で人、団体などとの連携、協力の重要性を強く意識したきっかけとなった。信条は「初心忘るべからず」と「一市民としての感覚を持ち続ける事」。北海道出身、55歳。
【略歴】北海道大学大学院工学研究科修了。2001年1月国土交通省中部地方整備局庄内川工事事務所長、06年7月リバーフロント整備センター研究第四部次長、08年4月水資源機構ダム事業部事業課長、09年7月国土交通省北海道運輸局企画観光部長、11年8月四国地方整備局徳島河川国道事務所長、13年4月徳島県県土整備部道路局長、14年4月徳島県県土整備部長、17年7月関東地方整備局河川部長、18年7月国土交通省水管理・国土保全局防災課長。

提供:建通新聞社