銚子市水道局は「銚子市水道事業経営戦略」を策定した。水道事業の中長期的な基本計画となるもので、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上に取り組む。計画期間は2019〜28年度の10か年。計画期間内における事業費は約61億2000万円(うち管路35億2812万円)を見込む。水道事業の効率化・健全化に向けては▽施設・設備の廃止・統廃合(ダウンサイジング)▽性能の合理化(スペックダウン)▽予防保全による適切な維持管理(長寿命化)――を進める。
計画期間内における施設別の投資額は管路35億2812万円、土木11億778万円、建築7487万円、機械3億8593万円、電気6億2124万円、計装2億6449万円、その他1億3753万円。
年度別事業費は▽19年度9億2877万円(うち管路2億1500万円)▽20年度5億9458万円(同3億6812万円)▽21〜28年度各5億7458万円(同3億6812万円)。
19年度までは、16年度に開始した本城浄水場施設整備事業を継続し、送水ポンプ設備、動力・計装・監視制御設備及び浄水池築造工事を実施するほか、計装設備及び分析機器の更新を予定している。また、本城浄水場の土木・建築施設のうち耐震性の確保されていない施設について、計画期間内に耐震補強及び修繕を見込む。
一方、施設・設備の廃止・統廃合(ダウンサイジング)では、諸持町高架配水場の使用停止(17年)に続いて、今後、取水能力が市全体の1割未満で、重要度の低い白石取水場・貯水場を20年度を目標に取水を停止。配水区域の水需要の減少により、上野町配水場のみの能力で賄える状態にあるため春日配水場について、21年度を目標に運用を停止する。
性能の合理化(スペックダウン)では、平常時だけでなく災害時の安定供給を確保した上で、経済性の優れた設備・管路を選定することにより、投資の削減や維持管理費の縮減を目指す。
予防保全による適切な維持管理(長寿命化)では、施設台帳の整備による修繕・補修履歴の整理や、管路漏水等の事故情報の整理を行い、個別の施設・設備の劣化状況を十分に把握し、適切な補修による確実な予防保全と施設の長寿命化を目指す。
また、運営基盤の強化、水質事故・震災等の緊急時対応、技術の確保・継承、合理的な施設の整備・更新、水道料金の格差縮小などの観点から、広域連携の推進に取り組む。地域性が類似し、人材面、施設面、料金面で最も連携効果が期待される東総広域水道企業団及び、同企業団を構成する旭市、東庄町等と検討を開始し、具体的な方策、方策の効果、実施に向けた課題について協議を進めていく。
このほかICT技術や、ポンプなどの施設の更新時に新技術の活用を検討する。