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建通新聞社(静岡)
2019/07/22

【静岡】静岡県静岡市の歴文施設 遺跡発掘で発注延期

 静岡市は、歴史文化施設建設に伴う埋蔵文化財調査で、戦国末期の道路の遺跡が見つかったことを明らかにし、田辺信宏市長は「文化施設と遺跡の共存をしていくべき」との方向を示した。これにより、展示施設の一部に遺跡を取り込むための大幅なレイアウト変更が必要となる。9月議会案件での工事発注、2020年度末完成を予定していたが、20年度以降の着工へ延期される可能性が高まった。
 2棟構造のうち、大きい棟を建設する予定地から、長さ30b、幅約2・7bの道路、両側の石垣が出土。江戸時代以降の道路遺跡は多いが、それ以前の遺跡は国内でも数例しかなく、展示と遺跡の時代が合致することからも、展示の目玉の一つともなる。このため、今後の対応とスケジュールを早急に詰めていく。
 田辺市長は、できるだけオープン時期を遅らせない方向で進めたいとしているが、規模の大小に関わらず設計変更が必要になるため、19年度内の工事発注は難しいと考えるのが一般的だ。SANAA事務所(東京都小平市)の公募型プロポーザルでの提案では、4階建てと3階建ての2棟形式・高さ25bとなっていたが、基本設計の中で3階建てと2階建て(吹き抜け構造)の2棟形式・高さ18・8bへと変更した。今回の遺跡展示スペースにより、階高の再変更などの可能性もある。
 現在までの計画では、葵区追手町4ノ16、旧青葉小学校跡地の敷地面積約5000平方bを利用して建設。建築面積は2550平方b。規模は3階建て棟が鉄筋コンクリート造(柱は鉄骨鉄筋コンクリート造)、2階建て棟が鉄骨造、計延べ約5000平方b。3階建て棟から2階建て棟へ巡る回廊(鉄骨造)を設ける。建設事業費は30億円を上限とし、展示関連事業費は約12億円を見込む。
 3階建て棟の外壁は吹き付け、2階建て棟の外壁はガラスのカーテンウォールで、全体をエキスパンドメタルで覆う。屋根は金属屋根で計画。基礎は、ベタ基礎を採用。
 施設内容は、3階建て棟は、1階部分に機械室、市民交流エリア(家康公研究室、講座室、市民活動室など)、運営管理エリア(事務室など)、2階部分に展示室、3階部分に展示室、収蔵庫、展望ラウンジ。2階建て棟は、吹き抜け構造で歴史体感展示エリア、カフェ、ミュージアムショップを計画している。
 外構は約600平方bの広場整備を予定、隣地の民間施設誘致敷地内にも広場設置を予定している。


提供:建通新聞社
(2019/7/22)

建通新聞社 静岡支社