東京都政策企画局は2020年度の予算編成に先立ち、「重点政策方針2019 未来への投資〜人が輝く東京に向けて」を策定した。オリンピック・パラリンピックを好機とした未来への投資や、東京大改革など七つの戦略的視点からこれまでの施策を改めて見直し、「東京2020大会を成功に導き、レガシーを創り上げる」「最先端技術を活用し、Society5.0の実現に向けた施策を具体化」「『都市力の強化』『人と人をつなぐ』『稼ぐ東京』それぞれにスピード感を持って政策を展開」の三つの柱に沿って、重点的に施策を検討することを打ち出した。今後、この方針を基に具体的な政策を構築し、20年度予算編成を進めていく。
重点的に検討すべき柱のうち、東京2020大会の成功とレガシーの創出に向けた取り組みでは、安全・安心のバリアフリー都市の実現として、交通機関や公共空間、宿泊施設などのバリアフリー化を充実させることを目指す。スムーズビズとしてテレワークや時差ビズ、交通需要マネジメント(TDM)を一体的に推進することで、新たなワークスタイルの確立につなげる。ハイテク・ローテク双方を活用した総合的な暑さ対策を推進することで、快適な都市環境を実現させる。
Society5.0の実現では、社会実装として東京版モビリティ改革(MaaS=複数の交通手段をICT技術でつなぐ新たな移動の概念=の実現)や官民連携プラットホームの構築をはじめ、都庁のデジタル化推進としてAI(人工知能)などを活用した業務効率化、行政手続きの電子化・ビッグデータ活用などを進める。
喫緊の課題への対応のうち都市力の強化では、集中豪雨にも効果を発揮する中小河川や下水道などの整備を推進するとともに、省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの導入促進に取り組む。都立公園大改革として、民間のノウハウを積極的に取り入れて合理的管理と魅力向上を進め、バリアフリー化を推進して誰もが楽しめる環境を整備する。
稼ぐ東京に向けた取り組みについては、先端金融技術を市場に流通させて世界中から投資を呼び込む他、海外企業や人材を積極的に誘致して都内企業との連携を強化。中小企業のIoT化(モノのインターネット化)、創業・イノベーションの拠点整備などを推進する。
提供:建通新聞社