進路選択で最も重視するのは「仕事のやりがい」。本紙は松山工業高校の協力で同校2年土木科(40人)・建築科(40人)の計80人に対し、夏休み前に「建設業への就業意識調査」アンケートを実施した。進路選択の上で重要なものを尋ねて八つの選択肢から最適な一つを選んでもらったところ、いずれの科も「仕事のやりがいが得られる」と回答した割合が最も多く、土木科で35・0%(14人)、建築科で32・5%(13人)となった。次いで「給与が高い」と回答した割合が多く、土木科・建築科とも20・0%(8人)だった。これら二つの選択肢が回答の過半を占め、現役高校生は仕事に充実感と好待遇を求める傾向の高いことが分かった。
設問は「建設業の魅力」と「卒業後の進路」、「進路選択の上で重要なもの」三つ。設問ごと八つの選択肢から最も適当と思うものを選んでもらった。また、建設業に抱いているイメージを自由記述式で聞いた(回収率は100%、設問と選択肢、回答の傾向は別紙参照)。
建設業の魅力をどのようなところに感じるか尋ねたところ、土木科・建築科ともに「カタチとしてのこるモノができる」を選んだ割合が最も多く、いずれの科も47・5%(19人)だった。
卒業後の進路については、土木科では「まだ決めていない」が最も多く30・0%(12人)、次いで「県外の建設会社」が27・5%(11人)。建築科では「県内の建設会社」が32・5%(13人)で最も多く、「県外の建設会社」が25・0%(10人)で続き、県内外を合わせて進路選択で建設会社を考えている割合が57・5%(23人)と半数を超えた。
また、自由記述式で「建設業に抱いているイメージ」を尋ねた。「日常生活に欠かせない、人の命を守る大事な仕事」、「形としてのこり、人の役に立ち、誇れる仕事」といった肯定的な意見が目立った。一方、少数ながら「精神的、肉体的にきつそう」、「厳しそう」、「男性が多い」、「休みなく毎日働いていそう」などの声もあり、引き続き働き方改革を見据えた業界イメージの変革が求められそうだ。
本紙が同調査を行うのは昨年度に続き2回目。土木科と建築科を合わせた回答数の増減を比較すると、建設業の魅力については、「カタチとしてのこるモノができる」が10人増えた。卒業後の進路では「県内の建設会社」が8人増え、「県外の建設会社」も8人増、「まだ決めていない」が4人減などとなった。
進路選択の上で重要なものでは、「業界・企業のイメージ」と「仕事のやりがい」が4人増。「休日が多い」も3人増だった。
提供:建通新聞社