甲賀市は、公営住宅等長寿命化計画策定指針に基づき、中長期的な視点に立った公営住宅等の維持管理・修繕・長寿命化を推進するアクションプランとして「甲賀市公営住宅等長寿命化計画案」を策定した。
計画期間は今年度から令和10年度までの10年間。同計画は、公営住宅等の分野において、確実な点検の実施及びその点検結果に基づく予防保全型の維持管理・修繕、長寿命化に資する改善を推進していくためのアクションプランとしての役割を担う計画であり、「早期発見・早期補修の予防保全型管理」「既存ストックの効率的かつ効果的な活用」「ライフサイクルコストの縮減と事業量の平準化」を実現することを目的としている。
内容を見ると、市の人口は05年(平成17年)時点の9万3853人をピークに減少に転じており、今後も減少傾向が続くと予想されており、世帯分離などに伴う小規模世帯化を背景に増加傾向が続く世帯数は、15年(平成27年)時点で3万2268世帯(一般世帯数)となっているが、今後は緩やかな減少に転じると予想。このような状況から、市が管理する住宅の目標管理戸数は、用途廃止等を適正に進め、323戸の管理戸数を178戸に減らし適正な維持管理を進めていく。
維持管理については、各種設備の保守点検はもとより、定期点検を行って現状の把握に努めることを基本方針とし、定期点検の項目の他に日常的に保守点検を実施することが望ましい部位(屋外の工作物や金物類等)に対しては、「公営住宅等日常点検マニュアル」に従い日常点検を実施。また、劣化の進行が住宅の大規模な修繕や改善、更新に繋がらない住戸内各部については、入居者による日常的点検や空室発生時の際の点検により、劣化状況の早期発見へと務めていくと示した。また、公営住宅を長期的に適切な維持管理をするためには、点検結果及び修繕改善履歴等の内容を踏まえ、経年劣化に応じた修繕を計画的に行うことも表記しており、修繕メニューとして▽外壁の断熱性と耐久性向上▽屋上防水工事▽給排水管耐久性向上▽集会所・遊具改修等―を挙げており、期間内に必要整備箇所の工事を計画的に発注していくとした。
市の公営住宅等ストック状況を見ると、管理する公営住宅は29団地501戸あり、地域別では、水口地域に多く立地している。計画期間内(令和10年度)に全体の65%が耐用年数を経過し、古い住棟は整備水準が低く、安全面でも課題となっている。
提供:滋賀産業新聞