大阪市がもと浪速青少年会館跡地に新設を計画する「こども相談センター」について、新設規模や概算事業費などの計画概要が明らかになってきた。延べ床面積は約7800平方bを想定し、総事業費は約46億円を見込む。本年度に基本計画を策定し、2020年度に新築に向けた基本設計と既存構造物の解体設計、21年度に実施設計と解体工事、22〜23年度で建設し、24年度早期の開設を目指す。基本・実施設計の委託先は、現在指名型プロポーザルにより選定を進めている。
計画では、中央区にある市こども相談センターを浪速区に移転する。建設予定地の敷地内には、もと浪速青少年会館の建物があり、現在は栄小学校の校舎として利用している。新施設を建設するのは、校舎南東側にある敷地面積約1万平方bの空き地。照明スタンドやフェンスなどの既存構造物があるが、建設前に撤去する見通しだ。
新施設の延べ床面積は、児童相談所部門5500平方b、教育相談部門2300平方bの計7800平方b。新施設に求められる機能として▽個室対応▽最大6人までのユニットケア▽家庭仕様のトイレ・浴室―などを挙げている。敷地面積は1万平方b、建築面積は1800平方b。
概算事業費の内訳は▽設計費=1億3100万円▽建設費=34億8000万円▽土壌汚染対策費など=9億1400万円―となっている。
現センターは、1972年建設の旧市立労働会館を改修して2010年に開設。虐待を受けた子どもらを一時保護する施設は、部屋の定員や1人当たりの面積が国の基準を満たさない状況が続いている。構造上、個室化に向けた改修工事が困難である他、現在地で改築するよりも新築・移転する方が建設コストを抑えられるため、浪速区に移転することにした。
現センターの規模は、鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建て延べ約8700平方b。移転後の活用方法については今後検討する。
提供:建通新聞社