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北陸工業新聞社
2019/07/18

【福井】国交大臣表彰/受賞者に聞く/奥深い世界に魅せられて/多年、造園工事業に精励/伝統の技継承も大切 

田畑善教氏 
 造園施工と花木販売の小林農園(鯖江市住吉町)専務である田畑善教氏が、栄えある19年度の建設事業関係功労者等国土交通大臣表彰に輝いた。

 氏は、長く仕事を続けることができたことに感謝し「ひと口に造園と言っても、とても奥が深く、この機にもっと勉強したい。本を読んだり、つね日ごろからの修練が欠かせません」と、ますます旺盛な向上心をみせた。

 氏は、造園の形態など、ここ20年で相当に変化してきたと指摘し感慨深げ。その大きな原因に「ガーデニングのブーム到来」を挙げ、結果として「最近では、花をメインとしたコンパクトな庭が多くなった。昔は、庭といえば必ず池を設けて、ご近所同士、競い合ったもの」と隔世の感。
 「新築の住宅が建ってはいても庭がないところが多く、木がほとんど植わっていない」状況に残念な気持ちを隠さない。ただ「年に一度の維持管理費が大きいのでしょう。昔はクルマはなく、当然ケイタイもありませんでしたから」と時代の流れに、うなづいた。
 一方で「日本庭園には伝統的な技術や技能があり、ぜひ残していきたい」とも強調する。(雑木など)見た目重視の若い世代にむけ、とくに生け垣において現れる顕著なプロの技や感覚を披露する。「素人さんは、向こう側がスカスカに見えてしまうからと、枝切りをためらいがち。でもプロは違う。また伸びてくる形に想像力を働かせてバッサリ」と力説。木の特徴を熟知し、伝統の技を継承してなる造園業の奥深さや魅力をアピールする。

手入れ行きとどく妙

 公園や街路樹の維持管理面など、公共事業の重要性も示し、今後について「生業としてなかなか難しい時代ではあっても必要な職種だ。手入れの行きとどいた庭の素晴らしさなど、時代に合わせた造園のあり方を追求し、魅力をアピールしていきたい」と、特に若者に向けて熱くメッセージを送った。

田畑善教氏
69歳 小林農園の専務取締役 元・日本造園組合連合会福井県支部理事 多年にわたり造園工事業に精励するとともに、関係団体の役員として地方業界の発展に寄与した。

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