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建通新聞社(中部)
2019/07/18

【愛知】名市 博物館の再整備視野に基礎調査着手

 名古屋市教育委員会は、瑞穂区の博物館について、民間活力を導入しての建て替え再整備も視野に入れた調査に着手する。調査初年度となる本年度は、施設の課題などを整理して2020年度以降の検討に備える考えだ。本年度の調査は、「名古屋市博物館の魅力向上調査業務」として乃村工藝社(東京都港区)が担当する。
 博物館は、鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上4階建て延べ1万8107平方b。1977年の完成。構造体の残存耐用年数は40年程度以上と判定されているものの、特別展に使用できる展示室の面積が1000平方b以下と小規模で、「まちの魅力アップ」につながる文化施設とは言いにくい状況にある。また、収蔵庫は満杯以上の使用率で、容量が不足しているといった課題を抱えている。
 本年度の基礎調査では、市民アンケート調査の実施・分析や先進事例調査などを踏まえて、求められる博物館の役割と目指すべき姿を整理する。また、施設の課題や既存施設の躯体を変更できる範囲を把握する。
 その上で、博物館機能を確保しながら、地域との連携やまちのにぎわいづくりに資する施設配置の在り方を検討する。施設配置の検討に当たっては、現敷地1万5100平方bの他、隣接地の幼稚園(敷地面積868平方b)や博物館臨時駐車場(同1034平方b)、市バス回転場(同1000平方b)を活用した場合も考慮し、複数パターンの活用方法を整理する。
 その他、大規模博覧会や作品の魅力を体感できる展示といった、博物館の魅力向上に必要となる施設や設備についてコスト(イニシャル、ランニング)を把握する。
 所在地は瑞穂区瑞穂通1ノ27ノ1。
 博物館の分館に位置付けている、中村区の秀吉清正記念館は、施設リニューアルに向けた検討を行う。
 規模は、鉄骨鉄筋コンクリート造4階建て延べ3495平方b。91年の完成。博物館との役割分担を整理した上で、収蔵全体の配置計画を検討する他、施設改修、展示内容を検討する。
 所在地は中村区中村町茶ノ木25の中村公園内。

提供:建通新聞社