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建通新聞社(神奈川)
2019/07/18

【神奈川】関東地整 国道16号などで初適用へ トンネル活線拡幅

 国土交通省関東地方整備局は、国道127号防災事業(富津〜南房総間)と、国道16号横須賀地区でトンネル活線拡幅工法の採用を検討している。トンネル拡幅に際して通行規制を抑制する同工法はこれまで導入例がなく、正式に採用されれば全国でも初の試みとなる見通し。
 対象はいずれも山と海岸線に挟まれた区間で、関東地整管内にある83カ所のトンネルのうち、富津〜南房総間に21カ所、横須賀地区に16カ所が集中。両区間とも狭あいで老朽化の進んだトンネルが多く、改修などの対応が必要になっている。
 127号では、特に15カ所のトンネルで建設から約70年がたち老朽化。このうち4カ所は別線整備が困難なため、既設改良を実施する。付近に障害物が少ない城山トンネルから拡幅検討を行うこととしており、6月に千葉国道事務所が「国道127号防災設計検討業務」の委託に向けた簡易公募型競争入札の手続きを開始した。
 16号では14カ所のトンネルが建設から50年以上経過しており、このうち4カ所の老朽化対策が既に事業化している。活線拡幅工法の適用を検討しているのは、新船越と新浦郷の2トンネル。具体化に向け、横浜国道事務所が6月に「R1横須賀地区トンネル詳細検討業務」の簡易公募型競争入札に向けた手続きを開始した。
 今後、それぞれの区間について委託業務の中で、地整がまとめた工法カタログを参考にトンネル設計を実施する。現場条件に応じて、8種ある同工法のうち、適用可能な技術を絞り込む。
 関東地整が管理するトンネルの約半数は建設から50年以上が経過しており、老朽化対応が必要な箇所はこれからさらに増える。関東地整は城山トンネルなどでの導入を試験施工と位置付けており、実際に整備する中で適用性を検証し、今後に生かす。

提供:建通新聞社