静岡市は、大浜公園プールのリニューアルについて、プール改修と撤去による公園整備を検討してきたが、全施設を解体撤去し、民間活力導入による再整備の方向にかじを切ることになりそうだ。3日、静岡市都市公園審議会(会長・小西敦静岡県立大学経営情報学部教授)が「大浜公園プールリニュアルのあり方について」とした答申書を田辺信宏市長に手渡した。これを受け、基本計画策定に着手、早ければ2019年度内にも取りまとめるとみられる。
これまでは、プール施設を有料化し維持継続する方向で、老朽化の著しい既存プールは、約半分をリニューアル、約半分を廃止撤去し、跡地に公園を整備する方向で検討してきた。しかし、今後30年という期間で捉えた場合、施設の耐久性などを考慮して全施設を再整備する方向が望ましいとの結論となった。これにより、西側の50bプール(1978年築造)、1周200bの流水プールは全面撤去する。
敷地側の松林約6600平方bは、防災林などの役割を考えて保全、プール施設が集積する約1万2000平方bは、プールゾーン(有料区域)とする。交通広場から東側も含めた約1万4000平方bは、公園機能ゾーンとして子供の遊び場、広場や植栽エリア、民間事業者の提案によるスポーツ利用のサービス施設やカフェ・物販施設、体験プログラムの提供など、通年利用を促進する収益施設を配置、最低限度の駐車場も確保したい考えだ。
整備手法は、プール施設整備費を市が負担、プール施設の設計、整備、運営維持管理を同一の民間事業者に委ねる形が望ましいとし、公園整備は民間事業者による独立採算での収益施設設置を可能にすることを求めている。事業手法は、プール、公園ともに民間資金活用による社会資本整備(PFI)、パークPFIなどを想定している。
今後、答申内容に基づき地元調整や庁内調整を図り、パブリックコメントなどを経て基本計画を策定する。策定時期は明らかではないが、早ければ2019年度内にも取りまとめるものとみられる。この場合、20年度以降に事業者の公募を行うことになる。
基本計画策定は、日本工営静岡事務所(静岡市葵区)が担当している。
所在地は駿河区西島1380、1930年に開園、77年から79年にかけて改修・増設した施設が多い。現有施設は、50bプール、流水プールの他、25bプール、徒歩池、ウオータープール・ウオータースライダーなど。
提供:建通新聞社
(2019/7/17)
建通新聞社 静岡支社