大阪市は、水道配水管の更新事業を民間事業者に一括して委託することを検討している。民間事業者の公募に向けた実施方針や事業スキームの検討などを進めるため、検討支援業務の公募型プロポーザルを実施し、委託予定事業者としてEY新日本有限責任監査法人を選定した。2019年度中に詳細を固め、20年度以降に民間事業者を公募したい考えだ。
現在、大阪市内には約5200`の配水管が張り巡らされており、いまだに多くの経年管路が既存。老朽化率は47%(17年度現在)で、全国ワーストワンとなっている。市は現在、60〜70`のペースで管路更新を進めているが、昨年6月に発生した大阪北部地震や、発生が危惧される南海トラフ巨大地震を踏まえ、更新事業を民間事業者に一括委託することを検討している。
市では、今年2月に「PFI管路更新事業と水道基盤強化方策」の素案をまとめた。これによると、想定する民間事業者の業務内容は、配水管の更新(施工計画の策定から設計、施工まで)。配水管の維持保全、配水管以外の施設更新などは、これまで通り市が担当する。
更新延長は全体で約1800`。事業期間は15年程度で、前半5年間で約700`、後半10年間で約1100`の整備を想定する。
現行のペースでの、1800`の更新要年数は25〜26年間、総事業費は3400億円。これを民間事業者に委託した場合は、更新時期を15年間に短縮できる他、事業費も約3000億円に圧縮できるという。
今回委託する検討支援業務の内容は▽事業スキームの構築支援▽実施方針の作成支援▽マーケットサウンディングの支援―など。委託期間は20年3月31日。
提供:建通新聞社