富山県建設業協会は、18年度発注者別工事採算性に関するアンケート結果をまとめた。
それによると、調査対象工事558件(84社)のうち、15%に当たる84件(49社)で赤字が発生。一方、残り85%474件では利益を確保した。直近3カ年の年度別赤字発生率を見ると、17年度12%(537件のうち66件)、16年度14%(489件のうち67件)、15年度17%(548件のうち91件)と年々改善傾向にあったが、やや増加した格好だ。
調査対象は北陸地方整備局、富山県、県内市町村の発注工事のうち、請負金額2500万円以上(建築は3000万円以上)でかつ、18年4月1日から19年3月31日までに完成し、採算が把握できる工事。会員企業のうち、県ランクの土木A等級または建築A等級の153社を対象に6月4日から24日に調査し、119社から回答を得た。回答率77・8%。
調査結果を見ると、発注機関別の赤字内訳は、▽北陸整備局(土木)=9件(構成比11%)▽県(土木)=25件(同30%)▽県(建築)1件(同1%)▽県(土地改良)=28件(同33%)▽県(林務)6件(同7%)▽市町村(土木)15件(同18%)―。
県の土地改良と林務でやや採算性が低いものの、その他では、利益確保が9割前後と高い数値を示している。
赤字工事の主な発生理由では、「変更対応の不適切」が最も多く、次いで「発注者の積算漏れ」、「労務費の値上がり」と続いた。