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秋田建設工業新聞社
2019/07/12

【秋田】国際教養大学/学生宿舎建設・PFI事業で実施方針など公表

 公立大学法人国際教養大学は、新学生宿舎の建設をPFI法に基づき行うため、特定事業の選定と事業を実施する民間事業の選定に向けた実施方針、要求水準書(案)を公表した。選定された事業者が新学生宿舎を整備した後で大学に所有権を移転し、事業期間中に維持管理や運営を行うBTO方式を採用する。入札は9月に公告、設計と建設は令和2年3月から4年3月までの期間で行われる予定。全体の事業期間は25年程度。
 財政負担の縮減、民間資金や経営力・技術的能力を活用するため、事業はPFI法に基づき実施する方針だが、業務の質が担保され、施設利用者に対するサービスの向上が図られることを前提に、従来型手法に比べ財政資金の効率的・効果的活用が見込まれる場合にのみ、事業をPFI法に基づき特定事業として選定する。
 選定では◇コスト算出による定量的評価 ◇選定事業者に移転されるリスクの検討 ◇PFI事業として実施することの定性的評価 ◇これらを見込んだVFMの検討による総合的評価―による客観的評価が行われる。
 選定される事業者は調査・設計や建設工事、工事監理、備品調達といった施設整備業務のほか、建物・設備・外構などの保守管理の維持管理業務を実施。施設管理や空室補修、防犯・防災管理といった運営業務も担う。
 9月には特定事業の選定・公表、入札公告など、10月には入札説明書等に関する説明会、11月には参加表明書の受け付けや資格審査結果の通知などを行い、12月に入札提出書類を受け付ける。年明け1月に落札者を選定・公表し、3月には選定事業者と事業契約を締結する予定。入札は一般競争(総合評価)で公告され、落札者の選定は資格等要件審査、提案内容審査の2段階で行われる。
 入札参加者は複数の企業で構成されるグループ。グループの構成員以外で、事業開始後に選定事業者から直接業務を受託・請負を予定している者も、参加表明書で協力会社と明記。入札参加者と協力会社には設計業務、工事監理業務、建設工事、維持管理業務にあたる者と運営業務にあたる者が必ず含まれている必要がある。
 構成員・協力会社のうち、設計業務には宿舎や宿泊施設、病院、宿泊付き研修施設(構造問わず3階以上、延べ床面積3,000u以上)の業務実績を求める。建設工事は建築一式A級で総合評定値960点以上、設計と同様の同種工事実績が必要。
 落札者として選定された場合は、県内に事業を実施する株式会社として特別目的会社を設立する。事業者の選定にあたり大学は、学識経験者や大学職員などで構成する審査委員会を設置する。
 新施設は3階建て以下の施設として提案を求める。学生居室は252室(1ユニット12室×21ユニット)で、ユニットは小ユニット部2カ所と共用のLDKからなる。小ユニット部は6室の学生居室と共用の浴室、シャワー室・トイレ・洗面台からなる。
 施設にはこのほか、バリアフリールーム3室(個室)も整備。学生居室にはベッドや机、収納などを設置する。管理人室1室や倉庫、多目的ルーム3室以上、コインランドリー、ラウンジ、外構施設(ゴミ置場、駐輪場など)も盛り込む。県産材の利用や周囲環境との調和に配慮し、延べ床面積は提案によるとしている。
 建設地(秋田市雄和椿川字奥椿岱地内)は大学隣接地の約3,800u。現在は秋田市のグラウンドゴルフ場として使用されており、大学が取得する予定となっている。


提供:秋田建設工業新聞社