高知県は8日、南海トラフ地震対策推進本部会議を開き、2019年度から21年度までの3年間で進める第4期行動計画を踏まえ、各部局が2019年度に取り組むスケジュールについて示した。このうち土木部では、第3期計画に引き続き住宅耐震化を支援し耐震改修を年間1500棟進めることや、緊急輸送道路の防災対策として、8橋の耐震対策に向けた設計外注、10カ所の法面防災対策工事発注を第2四半期に執行することなどを説明した。
土木部では、この他に浦戸湾三重防護に向けた第1、第2ラインの直轄区間の継続や第3ラインの県事業区間となる潮江工区の耐震補強工事延伸と吸江、中の島地区の調査設計を継続する。三重防護以外の海岸では、直轄海岸の長浜・南国工区で耐震補強工事を継続し、県事業では土佐市の宇佐漁港海岸、奈半利町の奈半利港海岸、宿毛市の新田、宿毛湾港、大深浦海岸で耐震補強工事を延伸する。また浦戸湾内の河川堤防は延長1・1`で耐震化工事を実施し、鹿児第2排水機場の耐震化工事は第2四半期に発注するとした。
危機管理部では、津波避難対策として避難タワー8基の整備を進めており、19年度は事業着手している箇所の整備を継続する。補足的避難空間の整備では第2四半期に新たな補助制度を検討し、第3四半期に次年度整備の要望調査と次年度予算の確保に取り組む。避難タワーの総点検では、第2四半期に台帳を取りまとめ、追加が必要と判断された設備整備の働き掛けや次年度整備の要望調査、予算確保を進める。津波火災対策としては、第2四半期にタナスカ地区の防護柵概略設計に着手する。
教育委員会では、保育所・幼稚園の高台移転、高層化への支援として19年度は5市町7園の高台移転完了を予定していたが、田野保育園・幼稚園については同じ高台に防災拠点施設を建設することとなり用地取得に時間が掛かるため、21年度の移転完了を目指すとの報告があった。県立学校体育館の避難所機能を有する耐震化では、19年度に設計15校、工事17校を予定しており、第2四半期までに全ての発注を完了させるとした。
健康政策部では、水道ビジョン策定に向け、検討委員会を開催しパブリックコメントを経て19年度末に策定を完了する。災害時に動物救護対策の拠点となる動物愛護センターの設置に向けては、設置候補場所選定の協議を進め、第3四半期から設計などに着手するとした。
農業振興部では、畜産試験場内の耐震化に向け、直接検定舎と単雄種鶏舎の新築設計委託料を20年度予算に要求する。また茶業試験場山留ブロック積み擁壁工事、農業大学校ガラスハウス解体工事についても20年度予算に要求する考え。
林業振興・環境部では、防潮堤の老朽化調査と改修計画を策定するため、第2四半期に委託業務を外注し、19年度末に調査・点検を完了させ緊急対応が必要な場合は修繕計画を作成する。
水産振興部では、防波堤の粘り強い構造化を清水漁港で19年度末に完了させ、室戸岬漁港では継続実施する。また第2四半期に沖の島漁港の防波堤機能診断、田ノ浦漁港の詳細設計を外注、19年度末に完了させる。
提供:建通新聞社