京都市は11日、市が管理する準用河川及び普通河川について、計画的で持続可能な河川維持管理を実現するため、「京都市河川維持保全実施計画(第1期)」案をまとめ明らかにした。
実施計画(第1期)案は、市会まちづくり常任委員会で建設局が報告した。
平成28年3月策定の基本計画で定めた@点検の実施A河川カルテの作成B実施計画の策定の3本柱の一つとして実施計画をまとめるもので、河川維持管理の効果の最大化や予算の平準化を図るため、河川維持管理対策の実施年度等を定めた。
今後は実施計画(第1期)に基づき、河川管理施設の適正な維持管理を推進する。
実施計画(第1期)は初回点検未完了の河川があるため3年間の計画とし、計画期間は令和元年度から令和3年度まで。次期計画は5年間の計画としてまとめる。
基本計画で対象とした準用河川及び普通河川は322河川となるが、実施計画(第1期)では、このうち初回点検を完了した100河川を対象とする。ただし、これ以外の河川も今後の巡視・点検等で出水等により新たに措置が必要な箇所が確認された場合は、対象とする。
初回点検実施済みの100河川を、一定距離ごとの区間に分割し、区間ごとに評価を行った。評価はT(異状なし)、U(要監視段階)、V(予防保全段階)、W(措置段階)、X(緊急措置段階)の5段階。
初回点検の結果、緊急に対策を講ずべき状態のX(緊急措置段階)と評価された区間はなかったが、対策を要する状態のW(措置段階)及び予防保全の観点からの措置を実施する必要がある状態のV(予防保全段階)と評価された区間は389区間となった。
この389区間のうち、重点点検箇所(河川に近接して住宅が連担する箇所や、緊急輸送道路に並走する箇所等)を含む区間は164区間となり、さらに164区間から、出水時に市民生活に与える影響が大きいと考えられる区間など、優先度の高い条件を総合的に判断し、優先的に対策を実施する区間として48区間を選定した。
優先的に対策を実施する区間として選定した48区間に必要な概算事業費は、点検費用を含め、約3億8200万円と算出した。
令和元年度は7区間に6100万円、令和2年度は20区間に1億6300万円、令和3年度は21区間に1億5800万円を投じる計画。
対象河川・対策実施区間は、(1)明神川(北区)・1区間(2)祖父谷川(北区)・2区間(3)笠谷川(北区)・1区間(4)泉川(左京区)・3区間(5)岩倉長谷川(左京区)・2区間(6)花園川(左京区)・1区間(7)梅谷川(左京区)・1区間(8)稚児川(山科区)・4区間(9)安朱川(山科区)・1区間(10)高瀬川(南区)・1区間(11)奥殿川(右京区)・5区間(12)小野内谷川(右京区)・1区間(13)稲荷谷川(右京区)・2区間(14)井戸谷川(右京区)・2区間(15)荒木川(西京区)・4区間(16)鴫谷川(西京区)・3区間(17)小畑川(西京区)・6区間(18)寺戸川(西京区)・3区間(19)千代原川(西京区)・1区間(20)日野川(伏見区)・3区間(21)万千代川(伏見区)・1区間の計21河川・48区間。
なお48区間のうち38区間は優先的に対策が必要な箇所の工事を完了させる。残る10区間は計画期間内に設計業務を完了させ、次期計画以降に引き続き工事を実施する。