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建通新聞社
2019/07/11

【大阪】なにわ筋線に事業許可 20年度着工へ

 なにわ筋線の建設に関連し、整備主体となる関西高速鉄道が申請していた第三種鉄道事業と運行主体のJR西日本、南海電気鉄道が申請していた第二種鉄道事業が7月10日、国土交通大臣の許可を受け、大阪の南北軸を強化する新たな鉄道ネットワークとなる地下高速鉄道整備事業がスタートを切った。関西高速鉄道は本年度末の工事施行認可を目標に今後、着工に向けた手続きを進める他、2020年度には鉄道本体構造物の設計に入り、同年度中に工事に着手する見通しだ。総事業費は約3300億円、31年春の開業を目指す。
 整備区間は、うめきた2期地区に建設中の(仮称)北梅田駅とJR難波駅・新今宮駅を結ぶ約7・2`。途中、中之島駅、西本町駅、新難波駅(いずれも仮称)の3駅を新設する。構造形式は、北梅田駅から新難波駅付近までの約6・4`が地下式区間、パークス通から新今宮駅までの約0・3`が掘割区間、同じく約0・5`が嵩上げ区間となる。北梅田駅から西本町駅までは共同運行、西本町駅から分岐しJR難波駅まではJR西、新今宮駅までは南海電鉄が運行する。
 本年度は工事施行認可に向けた設計作業を進め、秋から年内にかけて認可申請。年度末までの認可を予定する。また、国や大阪府市への補助金の申請も行う。20年度に入って鉄道本体構造物の設計に取り掛かり、同年度中の着工を目標とする。工事は関西高速鉄道が発注する他、JRや南海に掛かる部分の工事は両社に委託するもよう。
 7月10日には、国土交通省近畿運輸局の八木一夫局長から関西高速鉄道の岡ア安志社長、JR西日本の緒方文人副社長、南海電気鉄道の金森哲朗専務に同事業の許可状が手渡された。
 八木局長は「今日をもってなにわ筋線の事業がスタートする。地元関係者の期待は大きい。安全第一に進めてほしい」と呼び掛けると、3社を代表し関西高速鉄道の岡ア社長が「整備効果は多岐にわたり、近畿圏の社会経済の発展に貢献する事業となる。31年春の開業を目指して速やかに工事に入りたい」と応え、今後の事業推進に力を込めた。

提供:建通新聞社