建設新聞社
2019/07/08
【東北・岩手】日本工営と契約/四十四田ダムの再生概略検討
東北整備局北上川ダム統合管理事務所は、四十四田ダムを対象とした「北上川上流ダム再生概略検討業務」の簡易公募型プロポーザルを実施した結果、4525万円で日本工営と契約した。
盛岡市の明治橋地点上流の流域面積約2200平方`bのうち、同市上田松屋敷地内の四十四田ダムが1196平方`b、同市繋山根地内の御所ダムが635平方`bと両ダムの流域が占める割合は84lで、同市の洪水に対する安全性に大きく影響する。しかし近年、計画を上回る洪水流量を記録するなど豪雨災害へのリスクが高まっている。
そこで、2019年度からの新規事業として四十四田ダムと御所ダムを対象に、洪水対策機能の増強を図る北上川上流ダム再生事業に着手。四十四田ダムは堤体の嵩上げ、御所ダムでは洪水調節を行い、治水能力を高めることとした。
このうち、四十四田ダムは堤高50b、堤頂長480b、堤体積38万2000立方bで1968年に完成。型式は中央部分が重力式コンクリート、左右岸側がアースダムの複合構造となっている。放流設備として、クレストゲート(幅9b×高さ13・1b)×3門、オリフィスゲート(同4・6b×同5・5b)×2門を備えている。建設当時は松尾鉱山を採掘していたため耐酸性の材料で堤体やゲートを構築した。
四十四田ダムの堤高を最大2b嵩上げした場合、有効貯水量は現在の3550万立方bから1・2倍の約4300万立方bになる予定だ。
今回の業務は、四十四田ダムの嵩上げに向けた概略検討を行うもの。
業務内容は、▽嵩上げ高▽嵩上げ形状▽設計洪水流量対応等▽施工計画等▽雨水解析−など。施設の構造やダムサイトの地形や地質などを踏まえ、形状や手法を検討するほか、雨水解析の結果を基にゲート増設などを検討する。委託期間は2020年2月28日まで。
なお、御所ダムでは、洪水時における雫石川への流入量を低減させるため、現在の操作方方式である一定率一定量調節方式を変更。洪水調節するため19年度に業務委託する予定だ。
提供:建設新聞社