名古屋市緑政土木局は、公園での民間活力導入に当たり、個別公園の再生方針と同方針に基づく整備運営方針をそれぞれ策定した上で、事業者の募集を行っていく考えを固めた。再生方針を策定する初弾は、鶴舞公園と荒子川公園の2総合公園となる見込み。2公園は2021年度末で指定管理期間が満了するため、21年度に民間事業者の公募手続きを進めていくスケジュールが有力だ。
個別公園での民間活力導入に当たっては、明確な事業実施手順がないのが現状。同局が公園の魅力向上に向けて民間事業者の力を活用するに当たり、市民に個別公園の再生方針や整備運営方針を示した上で、民間活力を導入するのが適当と判断した。イメージとしては、東山動植物園の再生に対して再生プラン基本構想をまとめた上で、再生プラン新基本計画を策定、民間活力導入を含む企業参加を展開させている形と同様の流れになる。
再生方針には、民間活力導入の事業性を確認する他、公園施設の既存ストックの現況把握と評価、目指す公園像を盛り込む。同方針にはスケジュールは盛り込まない。同方針を公表後、市民意見を踏まえて同方針に基づく整備運営方針をまとめる見通し。鶴舞・荒子川両公園は、整備運営方針を20年度に策定するとみられる。
2公園の再生方針取りまとめは「民間活力導入事業性調査及び公園再生方針検討業務」の中で行う。2公園の他、1〜5月末までの期間に実施した市内ほぼ全ての約1500公園を対象として実施したサウンディング調査で、事業者から提案があった3公園についても検討を行う。3公園は地区公園(4f)程度としているが、これまで民間活力導入事業性調査を実施していない公園のため、公園名は非公表としている。同調査で事業可能性があると判定した場合は、再生方針を公表する見込み。現在、地区公園には指定管理者制度を導入していないため、3公園について民間活力の導入可能性があると判断した場合は、民間活力を導入できる対象公園は今後大きく広がる可能性もある。
再生方針公表時期は、現時点では未定としている。
提供:建通新聞社