北海道建設新聞社
2019/07/03
【北海道】倶知安町山田は5割上昇 道内の19年路線価
札幌国税局は1日、道内30税務署の2019年路線価を公表した。最も高いのは札幌市中央区北5条西3丁目の道道札幌停線通(札幌ステラプレイス前)で、1u当たり488万円と8年連続で上昇。全国順位は前年より1つ下げ、神戸に次いで8位につけた。伸び率が最も大きいのは海外投資でコンドミニアムの建設が相次ぐ倶知安町山田の道道ニセコ高原比羅夫線通で、前年を50%上回り全国トップを維持している。
19年の全国平均変動率はプラス1・3%で3年連続の上昇。不動産投資の活発化に加え、増加する訪日外国人観光客の影響などで地価上昇につながった。道内約1万5700地点の平均は1・2増の2・3%で、全国平均よりも1高く、ホテルやマンション建設が好調な札幌が全体をけん引している。
道内30税務署の動向を見ると、最高路線価の上昇は札幌中、札幌北、札幌南、札幌西、札幌東、函館、小樽、富良野、倶知安の9署。横ばいは旭川中、旭川東、室蘭、北見、岩見沢、網走、紋別、名寄、根室、余市、浦河、十勝池田の12署だった。
下落は9署で下落率5%未満が釧路、帯広、苫小牧、稚内、滝川、八雲、江差の7署。5%以上は留萌、深川の2署となっている。
最高路線価の上位3位を占める札幌市の動向について、北海道不動産鑑定士協会の斎藤武也代表幹事は、増加する訪日外国人を受け入れようと、ホテル投資が活発化していることが価格の上昇基調を強めていると指摘。「札幌都心部では高値で土地を買ってもホテルなら利益を出せる。マンションだと、土地の入札となればホテルには勝てない状況になっている」と説明し、札幌駅前などの商業エリアが道内全体の価格を押し上げていると分析している。
札幌市以外でも、価格上昇地域では、訪日外国人の恩恵を受けていることが背景にあるとみる。海外の観光客でにぎわう倶知安町山田は、前年から1平方b当たり16万円上昇の48万円となり、5年連続で全国トップの伸び率となっている。
国税庁のまとめによると、全国の最高値は東京都中央区銀座5丁目の銀座中央通で、2・9%上回る1平方b当たり4560万円となった。
これに大阪市北区角田町の御堂筋が27・4%増の1600万円、横浜市西区南幸1丁目の横浜駅西口バスターミナル前通が13・3%増の1160万円、名古屋市中村区名駅1丁目の名駅通が10・4%増の1104万円、福岡市中央区天神2丁目の渡辺通が12・4%増の787万円と続いた。
相続税や贈与税の算定に用いられる路線価は、毎年1月1日を評価時点とする。地価評価額や周辺の売買実績、不動産鑑定士による鑑定評価額などに基づいている。