名古屋市住宅都市局は、久屋大通の南エリア再生に向けた「久屋大通(南エリア)民間活力導入準備に向けた検討業務」の公募型プロポーザルを行い、日建設計グループ(日建設計、日建設計シビル)を特定した。特定日は6月28日。契約後の履行期間は2020年3月23日まで。
18年11月に開いた久屋大通再生有識者懇談会で、委員で総合プロデューサーの涌井史郎東京都市大学特別教授が提言骨子案を取りまとめていく方向性を示している。業務では、総合プロデューサーの意図や趣旨、指示を踏まえて在り方作成支援を行うとともに、エリアマネジメントを含む官民連携手法など具体的な事業スキームを検討・整理する。
南エリアの再生に当たっては、北エリアと同様に地下から公園を展望できる吹き抜け空間を確保することで地上と地下の一体性・連続性を確保する計画。久屋駐車場またはエンゼルパーク駐車場の北側部分を対象に、駐車場としての機能を転換して吹き抜け空間とする場合に、地下1階部床面と天井を撤去しても構造物の基準耐力が確保できるかどうかを確認するとともに、不足する場合は補強などに向けた構造検討を行う。機能転換を検討する駐車場の場所は明らかにしていないが、久屋駐車場側を機能転換すると地下街から連続する形に吹き抜け空間を確保でき、エンゼルパーク駐車場側だと地下通路から現在箇所の視認性が向上することになる。既存構造物の構造検討では、他に駐車場出入り口を移設した場合の強度確認も同様に行う。
久屋大通の南エリアは、久屋大通公園の面積が約5f。周辺の道路部を含めると約9fが検討対象。公園内の広場は、休日にはイベントが数多く開かれ、多くの人でにぎわいが生まれている一方で、平日はそれほどでもない。再生整備を通じて、平日の魅力アップにつながる集客・交流機能の導入や公園機能を向上させ、公園の魅力アップや歩行者の回遊性向上を目指している。
有識者懇談会での議論などを踏まえて、「久屋大通の在り方(南エリア部分)案」を19年度に取りまとめることも視野に入れて準備を進める考え。
提供:建通新聞社