国土交通省中部地方整備局は6月27日、社会資本整備審議会道路分科会2019年度第1回中部地方小委員会を開き、名岐道路の計画段階評価手続きを本格化させた。政策目標案や路線の整備方針案、比較ルート案、意見聴取方法案などについて審議、委員からの了承を得た。今後は、地方公共団体や関係団体のヒアリング、地域住民・道路利用者などのアンケートを実施。意見聴取結果を踏まえて、第2回中部地方小委員会に諮り対応方針を決める見通しだ。
名岐道路は、愛知県一宮市と岐阜市を結ぶ地域高規格道路。今回評価手続きを行うのは、名古屋高速一宮中インターチェンジ(IC)〜東海北陸自動車道一宮木曽川IC間の延長約6`。
名古屋都市圏で名古屋市から一宮市を通り岐阜県までを結ぶ区間は、最大の人口集積エリアであるとともに、航空宇宙産業クラスター形成特区の指定を受け、今後の成長が期待される地区。一方で、一宮ジャンクション(JCT)〜一宮IC間を中心とする高速ボトルネック箇所は、北陸自動車道や名神高速道路を利用する広域幹線利用者と、名古屋市を中心とする中部圏域内利用者が混在して混雑に拍車をかけている。また、一宮市内の国道22号は、渋滞に起因する交通死傷事故が愛知県平均の約1・8倍に達する課題も抱える。
現状を踏まえた政策目標案は▽都市間の物流アクセス性向上・産業活性化支援▽交通円滑化▽交通安全の確保―に置いた。
対応方針案は、国道22号と同一ルートで対応可能な▽専用部整備▽部分立体▽平面8車線―の3案を決めた。専用部整備案は、高速道路の距離が現在の約30`から約20`(一宮IC〜岐阜市役所間)に最も短縮化される他、大きな渋滞緩和や事故削減効果が期待できる。建設に要する費用は約1600〜1960億円が概算される。
ヒアリング対象は、愛知県、岐阜県の他、沿線・周辺地域の9市2町。
提供:建通新聞社