愛媛県中予地方局は、JR松山駅付近連続立体交差事業の鉄道高架橋建設の進捗状況をまとめた。高架区間(約2・4`)は7工区に分けられ、現在は3工区で高架橋本体工に着工されている。8月には高架区間南側の「竹原南工区」(松山市竹原町・竹原3)の施工者選定が行われ、着工の運びとなる。残るJR松山駅周辺の地区は、2020年度から軌道や建屋の撤去など高架橋本体の着工に向けてヤード整備に着手し、高架橋建設は3工区に分けて整備される。工事は全てJR四国から発注。JR軌道は23年度末に高架に切り替わる。
8月に施工者選定される「竹原南工区」は、松山第2踏切付近〜高架区間南側の約220b。現在のJR松山駅周辺の高架橋整備は、南江戸踏切付近〜千舟町空港線付近の延長約530bで「南江戸工区」、「駅工区」、「千舟工区」の3工区に分けられ、ヤード整備が整い次第、20年度以降に順次着工される。
着工している3工区は、高架区間北側の「愛光工区」、愛光工区に続く「辻工区」、JR松山駅南側の「竹原北工区」。「愛光工区」(松山市愛光町)は、味酒踏切付近〜朝美踏切付近の延長約340bで、18年2月から鴻池組で着工。「辻工区」(松山市愛光町・辻町)は朝美踏切付近〜南江戸踏切付近の延長約400bで、19年4月から鹿島で着工。「竹原北工区」(松山市南江戸・竹原町)は、千舟町空港線付近〜松山第2踏切付近の延長約310bで、18年7月から五洋建設で着工している。高架区間約2・4`の両サイドは盛土工で高架橋へとつながる。
高架事業は、JR松山駅付近の延長約2・4`を高架化するとともに軌道両側に側道を整備する。総事業費は484億円を見込む。松山市美沢2を起点とし終点は空港通1。高架化により8カ所の踏切が除去される他、千舟町空港線の地下道は埋め戻され平面交差となる。除去される踏切は味酒踏切、萱踏切、朝美踏切、辻踏切、南江戸踏切、松山第2踏切、竹原踏切、前側踏切。
整備は、高架橋を現軌道西側に建設し、左右に側道を整備する。高架橋は23年度中に完成させ、年度末にJR軌道を平面から高架に切り替える。24年度には平面軌道の撤去や側道整備を行い事業を完了させる。側道整備は愛媛県事業。
高架事業の一環で、伊予市と松前町にまたがる地区で整備が進められている車両基地・貨物駅が20年3月に移転・開業する。ほぼ整備は完了しており、19年度には電気や機械設備が整備される。また車両基地に隣接する南伊予駅も同時開業する。
提供は建通新聞社