県北部流域下水道事務所では、今年度事業で東北部浄化センター(彦根市松原町)の「放流渠の吐口」を対象とした耐震補強設計(詳細設計)を予定、次年度以降の耐震補強工事の実施に備える方針。
昨年度に実施した東北部浄化センターの放流渠特殊マンホール他耐震診断調査業務(担当・NJS滋賀出張所)において、レベル1〜2とする「耐震性能1」を満足しないと判断された築後30年近くが経過する「吐口施設」の耐震補強に係わる詳細設計を行うもの。
詳細設計の実施にあたっては、過年度に検討された部材増打補強案や土圧低減補強案などを含め、その妥当性を確認し現実的に施工可能な施工方法を選定。また、本施設の周辺状況等を調査し、工事期間中の仮設
計画についても十分な検討を進めていく。
今回の耐震設計の対象となる放流渠の吐口は、東北部浄化センター(松原町1550)から南へ約1・8q、彦根市船町交差点近くのお堀沿いに位置。一日あたりの最大放水量は、20万5800立方b。構造はRC造(現場打ち)、高さH10・3b規模となっている。
昭和63年から平成2年にかけて東北部浄化センター施設とともに整備され、平成3年4月からの供用開始(運転開始)以来、すでに30年近くが経過し、昨年度に耐震診断調査が実施された。過年度に検討された補強案では、部材増打補強案については吐き口内の水替えが不可能なことから、現実的に施工が不可能と評価。
また、土圧低減補強案2案については、施工は可能であると思われるが、大型の施工機械が必要となり、プラントヤードスペースも必要であるために、交通量の多い周辺道路の占用や場合によってはお堀内に仮設桟橋の築造が必要と指摘された。これら耐震補強方法案の比較検討を踏まえ、「最適な施工方法」の選定作業等を進めていく予定。
提供:滋賀産業新聞