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建設経済新聞社
2019/06/18

【京都】建築物安心安全実施計画推進会議 次期見据え取組再編案示す

 京都市は17日、第11回建築物安心安全実施計画推進会議(全体会議)を開催。現計画の検証と次期計画の方向性について報告した。
 現計画の検証として、▽検査済証はほぼ100%に達している。確認申請手続きの円滑化が必要▽指定確認検査機関との連絡体制が整っている▽定期報告対象建築物の拡大は達成(約600件→約4500件)。定期報告率は8割を下回っており、把握できていない建築物が存在する▽(違反建築物対策は)現場対応が追いついていない▽(建築物関連の事件事故対策は)いまだに発生しており、特に落下系のものが目立っている。各種不正が急増している▽(耐震診断・耐震改修は)「まちの匠」の利用が拡大している▽(危険建築物対策は)空き家以外の通報件数は減少しているが、いまだ存在しており、解決に時間がかかることが多くなっている。管理不全空き家の増加▽(狭あい道路、細街路関係は)接道許可の手続きが簡略になっている。3条その他条例に係る包括同意基準の運用を開始している。制度の利用が芳しくないためいまだ細街路での危険性が残っている。京町家の増改築における法への適合が困難、技術者不足による不適切な改修などと状況を報告。
 次期計画の方向性について、取組内容の再編案を示した。@多様な機関の連携による完了検査の徹底と建築主・事業者等の意識改革による安全性の確保A定期報告制度の対象建築物拡大と調査データ活用の促進B既存違反建築物対策の強化C事件・事故対策の推進D耐震診断・耐震改修関連施策の着実な展開E危険建築物対策の強化Fモデルエリアにおける各種施策の展開G各種法制度や京都基準策定の研究、建築基準法の円滑な運用に対する検討等H関係団体との連携による情報提供・環境形成の推進を、取組の種類ごとにグルーピングし、[制度の実施に関するもの]@円滑かつ的確な確認審査の実施A定期報告制度を活用した取組、[既存ストックに関するもの]B既存ストックの活用を促進する取組C既存ストックの適正化のための的を絞った対策、[人に対するもの]D所有者・建築士等の意識改革、[付加価値を求めるもの]E良質な建築物の誘導F理想的なまちづくりに対応した制度運用に再編する内容。
 また市の基本計画がSDGs(持続可能な開発目標)やレジリエンスの概念を踏まえ、令和2年度の改定に向け検討を始めることから、次期計画については、その検討状況に合わせて進めることとし、現計画の方向性を継承したものを想定していると報告した。
 今後は、分野別ヒアリングを経て、令和2年1月頃開催の第12回全体会議で素案を作成する方針。その後、同年6月頃の第13回全体会議を経て、市民等から意見を募るパブリックコメントを行う予定。令和3年3月末までの計画改定を目指す。